■賑わうバンコク・ウィークエンド市場の経営が国鉄に返されるが、影で泣くベンダーたち■*本記事はブログ「チェンマイUpdate」の2012年1月20日付記事を許可を得て転載したものです。
Floating Market Thailand / christine zenino
■「世界最大のウィークエンド・マーケット」の経営権移転
「世界最大のウィークエンド・マーケット」と呼ばれているのが、バンコク北部のチャトゥチャック市場。旅行ガイドブックには必ずといっていいほど、市場のマップが掲載されている。
このチャトゥチャック市場の土地は「SRT」(タイ国有鉄道)の所有だが、この1月1日まで「BMA」(バンコク都)が借りており、大きな利益を上げてきた。貸借期間は1987年から25年間にわたるが、BMAが支払った賃料は1億バーツ(約2億4400万円)だけだという。
チャトゥチャック市場には8000以上の店舗が出店している。店舗の出店料は最低でも年1億バーツ(約2億4400万円)と見られている。この1月2日から市場の経営権はSRTに返還された。もうかる経営権を赤字の国鉄に渡すことで、国有鉄道の財務にカツを入れようと政府が決定したということだろうか。
経営権は都から国鉄に移ったわけだが、公共体の経営であることには変わりはない。しかし、その運営には不透明な点が多く、出店者の不満が噴出している。
■土地を借り占めるチャルーン・プラザ社
問題は2つあるようだ。
第一に土地を借り占め、零細店舗700店ほどに又貸ししているチャルーン・プラザ社の存在だ。市場から直接借りているショップの場合、出店料は安ければ月250バーツ(611円)程度。一方、チャルーン・プラザ社を経由すると、月1万6500バーツ(4万300円)も支払っているケースもあるという。
また、好位置を確保するためには袖の下が必要だという。その額は12万~15万バーツ(約29万3000~36万6000円)程度。こうした問題があるにもかかわらず、又貸しグループは排除されていないようだ。新しく経営することになったSRTもチャルーン・プラザを排除するつもりはないという。
もう一つの問題は、通路でござをしいて店を開く路上販売者。禁止されているが、あまり取り締まりはされていない。観光客はよく路上販売者から買っているという。賃料はないので(どこかに袖の下を支払っている可能性はあるが)、高いレンタル料を支払っている店は勝負にならない。
公共機関の運営だから不正がはびこるとまで言うつもりはないが、市場経営者と又貸し会社の癒着などはありそうだ。経営移転が改善のきっかけとなるのだろうか?警察が捜査するとも伝えられている。
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