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香港映画にあこがれて!中学生がマフィアを結成、15年後の検挙―中国

2012年01月24日

1995年に結成されたマフィア組織「洪興幇」。香港映画「古惑仔」を見て「かっけー」と感化された中学生たちが作ったものだった。十数年の時を経て、中学生たちは立派なマフィアに成長。ついに逮捕され、2012年1月17日より雲南省昆明市の中級人民法院で裁判が始まった。


Business End II
Business End II / R0Ng

■中学生が立派なマフィアになりました

「古惑仔」は香港のマフィア・三合会の抗争を描く 香港ノワール映画。1995年、この映画を見て「かっけー」と感化されたのが雲南省昆明市尋甸回族イ族自治県の中学校に通う張暁東、徐正松くんたちだった。劇中にでてくる洪興社から名を取って、洪興幇というグループを結成。さらにその旗下に青龍堂、猛虎堂、飛鷹堂という下部組織を作り、20人からなる組織を作った。

この組織がいつから犯罪行為に手を染めるようになったのかが裁判の焦点となっているが、検察は2008年以後にいくつもの犯罪を繰り返していたと指摘している。

第一に暴力抗争。2008年8月、対抗グループの賽加波一味とコンクリート工場で決闘した。洪興幇は刃物、火炎瓶で武装して戦い、1人が重傷を負った。後に賽加波とは手打ちして、洪興幇と合流したという。2010年5月には洪興幇内部の決闘があり、メンバー1人が死亡する事件が起きた。この事件をきっかけに洪興幇は摘発されている。

第二に違法カジノ経営。2007年から尋甸回族イ族自治県の農村でカジノを運営。さらに他の地域にも次々とカジノを開設し、寺銭で利益をあげていたという。

第三に借金取り立てのための暴行、違法監禁。カジノの負けを支払えなかった人間に暴行を加えている。またあるメンバーが保持していた拳銃と銃弾も押収されている。

第四にみかじめ料の取り立て。電子ゲーム場(おそらくはカジノ)で大暴れ、みかじめ料を支払うことを約束させた。


■中学生は本当にマフィア組織を作ったのか?

雲南網によると、36人が違法行為にかかわったとして告訴された。検察は洪興幇は明らかなマフィア組織であり、チャットソフト・QQを使って組織内の連絡を取り合っていたと指摘しているが(なんとも中国的!)、弁護側は組織犯罪ではないと主張している(南方網)。

個々の人間が犯した犯罪については争う余地はなさそうだが、洪興幇がマフィア組織としての内実を備えていたのか。組織として運営されていたか、経済的な実態はあったのか、違法にメンバーを管理していたのか、暴力性を持っていたのかが争われている。

以前、記事「「お金を稼いで母さんを楽にしたかった」17歳の「地上げ屋」が告白―中国」でもご紹介したが、学校をドロップアウトした子どもたちがバイト代に釣られて地上げ行為に加担したり、細々とした悪事に荷担したりというケースは多いようだ。田舎だけではなく、広州市でも学生たちの間に不良グループ結成の動きが広がっていると報じられたこともある。

となると、洪興幇がどういう存在だったのかは非常に気になるところ。1995年というかなり早い段階でドロップアウト学生が集まりマフィアとして成長していった事例だったのか、それとも子どもの遊び心で名前だけ作っておいた組織が2000年代に入って犯罪組織化していったのか。

ともあれ、ドロップアウト学生と田舎の暴力犯罪の実情を知るためには非常に貴重なケースと言えそうだ。判決で詳細が明らかになることを期待したい。

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