■カム、ダンゴの続報/今日セルタでデモ、当局の発砲により5人死亡か?■
*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の 2012年1月24日付記事を許可を得て転載したものです。
Tibetan Girl near Mount Everest / ^^星翼^^
■チベット人抗議デモに当局が発砲
チベット族住民が死亡=治安部隊、デモ隊に無差別発砲―30人負傷情報も・中国四川
インド北部ダラムサラにあるチベット亡命政府は声明を出し、中国に住むチベット族の平和的デモに対し、警官隊が無差別に発砲したと非難。6人が死亡したとの情報があることを明らかにした。
衝突でチベット寺院の僧侶少なくとも3人が重傷を負うなど、最大30人が負傷したとの情報もある。国営新華社通信は、数十人のデモ隊と警官隊の衝突によりデモ隊の1人が死亡し、警官5人が負傷したと報道。発砲には触れていない。
チベット人権団体のチベット人権民主センター(ダラムサラ)やフリー・チベット(ロンドン)によると、死亡したのは49歳の男性で、遺体はタンゴ県の寺院に安置されている。
23日、速報でお伝えしたカム(四川省甘孜チベット族自治州)タンゴ県の抗議デモ。
(関連リンク:「速報:今朝カム、ダンゴで大規模デモ、当局の発砲により2人死亡か?」チベットNOW@ルンタ、2012年1月23日) 現時点では新たな情報は入っていない。いつものことではあるが、電話など現地と外部をつなぐ通信手段が全て切断されたためと思われる。23日時点での報告をまとめた記事が
RFA英語版で公開されているので、同記事を中心にタンゴの現状を整理したい。
■タンゴの現状
現地チベット人及び亡命政府が伝えるところによれば、23日のタンゴでの抗議デモに当局が発砲。少なくとも6人が死亡し、多数の負傷者が出たという。発砲が引き金となってデモは過熱した。
ある現地の報告によると、「少なくとも2人が撃たれ死亡し、10人以上が負傷した」という。「抗議者のうち、1人は焼身抗議を行おうとした」とも伝えられる。チベット亡命政府は「当局の無差別発砲により、6人が死亡したとの報告もある」と発表した。
現地と連絡を取った在インドのチベット人記者ロブサン・ケンツェは「相次ぐ焼身抗議による同胞の死を悲しむチベット人たちに中国当局が中国の旧正月を祝うよう強要したことが抗議デモの原因である」と伝えている。
デモの数日前、タンゴ県庁舎前に匿名のチラシが張り出された。「我々チベット人には自由がない。そして、今年すでに数人の同胞が自らの命を犠牲にした。だから、中国の正月に私は焼身抗議を行う。私の遺体が中国の手に渡らないよう、全てのチベット人にお願いする」と書かれていたという。
同じく現地からの連絡を受け取った在インドの僧侶イシェ・サンポによれば、「最初、数百人のグループがチベットの自由とダライ・ラマ法王の帰還を求めるスローガンを叫びながら行進を始めた。デモ隊が地元警察署前に差し掛かった時、警官が発砲。その場で2人が撃たれ死んだ」「デモは23日の朝に始まり今(現地時間午後3時半)も続いている。デモ参加者たちは破壊行為も行った。周辺にあった中国の店や中国関係の施設を壊した」という。
デモに参加した僧侶はいう。「警察署に差し掛かった時、警官は我々に自動小銃で発砲した。我々を蹴散らすために消火器や催涙ガスも使った。」「ユンテンという男性が殺された。少なくとも32人が負傷した。5人は重傷だった。」「もう1人、ロギャの息子としか分らないが、彼も撃たれて死亡した。」
他の参加者も「何百人ものチベット人が拘束された」と伝えている。チベット亡命議会もネットで「少なくとも6人が殺された」と報告している。Tibet Expressは「タウやカンゼからも大勢のチベット人がタンゴ僧院に集まり、その数は6000人ほどに達した。テンジン・タルゲというタンゴ僧院の医者が撃たれ、銃弾を摘出できずに重傷となった」と報告されている。
RFAに寄せられた電話によれば、「32人の負傷者がダンゴ僧院に運び込まれた」という。チベット亡命政府と議会は、中国当局が平和的抗議デモに発砲し、事態を悪化させたことに対し強く抗議した。また「国際社会がこのような明白な人権侵害に対し沈黙を続けていることに驚きを感じる」とも記されている。
■他地域でも抗議デモが拡大
ダラムサラ・キルティ僧院によれば、やはり23日にアムド、ンガバのメウルメ郷でナムツォ僧院僧侶を中心に約100人が平和的デモを行った。これに対し、当局は大勢の武装警官と軍隊を派遣。デモ参加者を殴打し、多くの参加者を拘束したという(
Tibet Times)。
聖地付近での空港開発=警察による射殺事件に怒ったチベット人が派出所襲撃(tonbani)
*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の 2012年1月24日付記事を許可を得て転載したものです。