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【ザムタン発砲事件】僧侶1000人が犠牲者の追悼会=チョナン派が抗議デモ―チベット(tonbani)

2012年01月29日

■ウゲンの遺体はすぐにザムタン・チョナン僧院に運ばれ、良き来世のためにポアが行われた■

*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の 2012年1月28日付記事を許可を得て転載したものです。


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*画像はザムタン・チョナン僧院。

■ザムタン県発砲事件犠牲者の追悼会

26日、アムドのンガバ(四川省ンガバ・チベット族チャン族自治州)ザムタン県バルマ郷で、中国当局がチベット人に発砲した事件で、死亡したウゲン(20歳)の遺体は近くにあるザムタン・チョナン僧院に運び込まれたことが明らかとなった。1000人の僧侶による追悼会が執りおこなわれた。

在ダラムサラのツァンヤン・ギャンツォが伝えた情報が28日付TibetTimesに掲載されている。

ウゲンは頭部を撃たれ、その場で即死したという。すぐに回りのチベット人たちにより遺体は近くのザムタン・チョナン僧院に運び込まれ、そこで1000人の僧侶列席の下でポアと追悼会が行われた。その後、遺体は家族の下に送られた。
(ポアとは、死者の意識を良き転生に導くための儀式)

故ウゲンはティントゥウメンヤンという学校に通う学生であった。チラシをばら撒いたタルパとは学校での友人同士だった。

また他の負傷者、逮捕者の名前も判明している。チョナン僧院僧侶クンペル(52歳)は頭部を撃たれた。ザムタン・トゥマのナムギェル(20歳)も被弾。2人はすぐに病院に運び込まれた。1人の尼僧が足を骨折。その他多くの人々が負傷したというが、夜となって現地が混乱したこともあり、詳細は不明だという。

26日夜には、チョナン・チュガル・ゴンマ僧院の高僧ラマ・ロペル(50歳)、チラシを書いたタルパの親戚であるチョナン・ツァンバ学堂の僧ニェンロ(26歳)、僧サンキョ(21歳)、チョナン僧院のツェリン・ペル、ワンキョ、その他1人が逮捕された。ザムタン・バルマの住民6人も逮捕されたというが、その名前は分っていない。

記事:tonbani チベット 抗議デモ 発砲事件2
*画像はザムタン。僧学院。

■チョナン派の抗議デモ

チョナン派の僧院と言えば、先の18日にはゴロ、ペマ県のペマでアキョン・チョナン僧院の僧侶約20人がチベット国旗と法王の写真を掲げ抗議デモを行ったと報じられている(Tibet Express)。ゲルク派以外の僧院、僧侶が抗議デモを行うのはまれだ。あるいは初めての可能性もある。11世紀に立宗したチョナン派はンガバ、ザムタン、ゴロを中心に60以上の僧院、1万人の僧侶を抱える。

古い歴史を持つ宗派ではあるが、去年ダラムサラで行われた宗教会議で初めて正式にチベットの宗派の一つとして認められたという。カーラチャクラ、タントラの行を重んじる派としても有名で、今回ブッダガヤで行われたカーラチャクラ法要の際にも本土から大勢の僧侶が集まり大塔の前で特別法要を行っていた。

焼身抗議を初めとする、地域の抗議活動の高まりを受け、ゲルク派だけでなくチョナン派の僧侶たちも立ち上がり始めたと思われる。 

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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の 2012年1月28日付記事を許可を得て転載したものです。      
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