中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年01月31日
iPhone 4 Bumper + Universal Dock w/ DIY Adapter / Yutaka Tsutano
■ハイエンド携帯に占めるiPhoneのシェア
中国には中国移動(チャイナモバイル)、中国聯通(チャイナユニコム)、中国電信(チャイナテレコム)の三大携帯キャリアが存在する。このうちアップル社と正式に提携しているのは中国聯通だけだ。同社が抱える1500万人のハイエンド端末を持つユーザーのうち、300万人がiPhoneを利用している。すなわちハイエンド端末に占めるiPhoneのシェアは20%となる。
ハバーティ氏は、中国移動には1億2000万人、中国電信には1500万人のハイエンド端末を持つユーザーがいるとざっくり指摘。この2社と提携することができれば、中国移動に2400万人、中国電信に300万人のiPhoneユーザーが誕生する可能性があると分析している。
■4G回線が転機に
中国電信は「間もなく」iPhone4Sの販売を始めると発表している。早ければ今冬中にも販売が始まりそうだ。問題は中国最大手の中国移動。 TD-SCDMAという中国独自にしてiPhoneが非対応の3G携帯規格を採用しているのがネックとなっている。もっともiPhoneのシムフリー機(あるいはロック解除機)で中国移動のネットワークを利用しているユーザーは1000万人に達している。
中国移動との提携成立のきっかけになるのではと期待されているのが4G回線の導入だ。中国移動はTD-LTD方式を採用する。iPhone5はTD-LTD採用が有力と見られており、通信方式のハードルから解き放たれる可能性が高い。
■携帯キャリアをメロメロにするiPhoneの魔力
「中国全体で1億5000万人のハイエンド端末ユーザーがいて、20%がiPhoneを採用するようになれば、3000万台売れるはず」というのが正しい計算式のはずだが、ハバーティ氏はなぜか中国移動の現行ユーザー1000万人をそのまま足し算して4000万台という数字を出しているようだ。
やたらとざっくりした計算ではあるが、日本でもauがすっ転んでしまった「iPhoneの魔力」に携帯キャリアもメロメロだと考えると、全3社との提携もありえない話ではないかもしれない。アップルは中国市場上陸にあたって、当初は中国移動を提携先として考えていたが、アップルの出す条件に中国移動が応じずご破算となってしまった。
結果、業界2位の中国聯通が提携することになった。中国移動にしてみれば、「逃した魚は大きかった」というところではないか。
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