■<貴重映像>ザムタン公安前で抗議の声を上げるチベット人たち/CNNのチベット潜入トライ映像■*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の 2012年1月31日付記事を許可を得て転載したものです。
■ザムタン抗議活動の貴重な映像
*英語版
*チベット語版
*1分6秒から現地の動画。
この動画はRFAが1月31日に発表したもの。インド在住のジャミヤン・ギャンツォを通じて現地から入手した貴重な映像だ。
チベット語版冒頭の説明によれば、26日午後5時頃、ゴロ(青海省果洛チベット族自治州)のザムタン県バルマ郷の警察前で撮影されたもの。約2000人のチベット人が集まり、中国政府に対する抗議の声を上げた。午後9時には1万人程に膨れ上がったとも説明されている。動画の声を聞き取ることは困難で、私が聞き取れたのは「ダライ・ラマ法王に長寿を!」という言葉だけだった。
バルマ郷での抗議デモと発砲事件については、記事「
発砲事件の波紋、抗議活動相次ぐ=2008年以来最悪の状況となったチベット情勢(tonbani)」でご紹介した。タルパという若者が抗議のチラシを張り、逮捕しようとした警官隊が、それを阻止しようとした住民に発砲したというもの。少なくとも1人が死亡、多くの負傷者を出した。
上記映像は発砲事件後、逮捕されたタルパの解放を求めて住民が警察署に押し掛けた時のものではないか。ただ、発砲は警察署前だったとの情報もある。そうだとすると、発砲前の映像という可能性もある。

China } Sichuan Province } June 2010 / travelmeasia
■中国当局、CNN取材班を拘束
31日、
CNNが現地の映像を公開している。前半部分は成都市から発砲事件の現地・ダンゴに向かう途中のものと見られる。途中で検問にひっかかり、引き返している。後半は厳重な警戒態勢がしかれている成都のチベット人街を取材したもの。僧侶2人にインタビューしている。
この後、彼らは空港で5時間拘束され、いくつかの映像を取り上げられたという。また中国国内で流されているCNN放送は、このレポートが放映された時、ブラックアウトして何も映らなかったという。
このレポートには
日本語版もあるが、 記事内容は英語版と大きく異なり、背景説明が大部分を占めている。また僧侶のインタビューがなぜか「飲食店で働くチベット族の女性」の話として書かれている。たんなる誤訳なのか、あるいは何かの意図があるのかは分かりかねる。
■僧侶の言葉英語版にしか掲載されていない僧侶の言葉は、重い内容である。以下その部分を訳す。
僧侶たちは警官たちにののしられ、虐められた。もう限界だ、と我々に語った。「もう耐えきれない。もう限界だ」と1人の僧侶が言う。彼らは山奥の故郷から遠く離れた所にいる。電話で連絡する事もできず、孤立してるという。
「帰りたいと思うが帰れないのだ。外に大勢の保安要員がいることは見ればわかるだろう。どこへ行こうが、彼らが見張っている。どこへも行くことができない」と話した。
私たちは「怖いか?」と聞いた。彼は(部屋に掲げてある)ブッダの写真を見て、笑顔を浮かべ、「説明できない.......でも怖くはない」と答えた。
僧侶はポシェットの中に精神的指導者であるダライ・ラマの写真を隠し持っているという。だが、もったいなさすぎると、見せてはくれなかった。このポシェットは夢を運んでくれるのだという。
「我々は全てのチベット人が望むことを望んでいる。ダライ・ラマ法王がチベットの宮殿にお帰りになることをだ。」
彼らは同胞たちの焼身抗議を知っていた。抗議者を支持すると語り、中国がチベットから出て行くまで、焼身抗議は続くと断言した。
中国政府から見れば、僧侶たちはチベットを中国から分離させようとたくらむ、いわゆる「分裂主義者」となる。インタビューの間中、私たちは監視されていた。インタビュー後には私たちの車は追跡された。また、ドライバーは家族が電話で脅されたと話している。
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