■ザチュカ(セルシュ、石渠)で抗議活動/亡命政府外務大臣記者会見と新ビデオ■*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年2月6日付記事を許可を得て転載したものです。
チベット人抗議デモに対する当局の発砲、強圧的な鎮圧で混乱が続くチベット人居住地。新たに3人が焼身抗議した件の続報を含め、外部の各機関は懸命に現地と連絡を取ろうとしているが、情報遮断が強化されている。
そうした中、四川省カンゼ・チベット族自治州の北端にあるザチュカ県で、4日、抗議活動が行われたという一方が伝えられた。
■中国国旗を引きずり下ろし、チベット国旗を掲揚―ザチュカ
6日付
TibetExpress、
TibetTimesによると、4日早朝、チベットのカム地方、ザチュカ県ウォンポ郷(四川省カンゼ・チベット族自治州石渠県温波郷)で、チベット人が学校に掲揚されていた中国国旗を引きずり下ろし、代わりにチベット国旗を掲揚するという事件があった。
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現地では3日、抵抗を訴えるチラシが撒かれていたという。4日にもチラシが撒かれたり、張り出されたと伝えられている。当局はただちに武装警官を現地に派遣。交通と情報網を遮断した。街とボンボ僧院は特に厳重な警戒下に置かれている。商店もシャッターを降ろすよう命令された。現在、電話も現地には通じず、詳細は不明だ。
■チベット亡命政府・外務大臣記者会見6日、チベット亡命政府のデキ・チュヤン外相は記者会見を開いた。
3日、セルタ(四川省カンゼ・チベット族自治州セルタ県)で、3人のチベット人が焼身抗議を行ったことが発表された。22日にはチベットの正月(ロサ)、3月10日には蜂起記念日が控えている。チベット本土の緊張がさらに高まり、流血の惨事と犠牲者につながることを懸念するとコメントした。事態の悪化を防ぐため、これ以上の弾圧をやめるよう、国際機関は中国に圧力をかけてほしいと要請している。
*6日の記者会見で発表された亡命政府制作の動画。2008年以後の中国政府によるチベット人弾圧、チベット人の焼身抗議を紹介している。デキ・チュヤン外相は、相継ぐ焼身自殺は「中国のチベットに対する政策が新たな弾圧段階に入った」ことを示すもので、焼身という抗議は「決して無視してはならないものである」「抗議者の要求がチベットの自由であることは明白だ。中国当局はチベット人の苦しみの原因を正しく理解し、弾圧ではなく対話によって問題を解決すべきだ」と話している。
記者会見では、「もしも、今後数ヶ月で焼身抗議者が200人を超えるような事態になったらどうするつもりか?」との質問があった。デキ外相は「その時になれば、対応を考えるしかない」と回答したが、質問者は「そんな消極的な態度でいいのか?政府としての積極的な計画や政策はないのか?」と詰め寄った。