■スリランカ経済を支える輸出は、紅茶?衣料品?それとも?■*本記事はブログ「チェンマイUpdate」の2012年2月6日付記事を許可を得て転載したものです。
Elephant - Kelaniya Temple (Kelaniya Raja Maha Vihara) / Jorge Lascar
■外貨獲得手段は出稼ぎスリランカとは「輝く島」という意味。四半世紀にわたる内戦に終止符を打った同国には観光客も戻りつつあり、経済も再び動き始めている。ようやくその名の通りの輝きを取り戻す兆しを見せている。
(関連記事:26年間続いた島国の内戦=観光国としての発展の兆し―スリランカ(ucci-h))お茶、ゴム、ココナツを中心とした植民地時代風のプランテーション経済(以前は上記作物が輸出の90%を占めた)から、最近、主要輸出品が「人間」へと変化しつつある。もちろん人身売買の意味ではない。外国への出稼ぎである。
今や170万人(人口2100万人の8%)のスリランカ人が海外で働いている。彼らが本国に送る送金額は2011年、52億ドル(約3980億円)に達した。衣料品や紅茶の輸出、観光をも上回り、外貨獲得手段のトップを占めている。2010年の輸出を見ると、トップは繊維・衣料品で35億ドル(42%)、次いで紅茶の14億ドル(17%)となっている。観光収入は8億ドル(85万人)である。
国内に就職機会が少ないこともあり、
スリランカ人 は積極的に海外に出ている。サウジやオマーンなど中東諸国中心として、ブルーカラー、ホワイトカラー、家政婦などの仕事についている。
■国内産業振興にはまだ時間が必要だ
今やアフリカ諸国で紅茶が生産されるようになり、市場が供給過剰状態だ。スリランカ紅茶産業の競争力も低下しつつある。一次産品依存脱却を目指して、観光業や製造業に力を入れ始めているが、観光業にしてもお客に満足を与えるインフラになお欠けている。