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素直すぎるロシア人、祝日の前日だって嬉しくなってお祭りモード(タチアナ)

2012年02月09日

■祝日の前日に仕事が手に付かないロシア人■

*本記事はブログ「ロシア駐在日記」の2012年2月9日付記事を許可を得て転載したものです。


Russia trip, Apr 2008 - 20
Russia trip, Apr 2008 - 20 / Ed Yourdon

■祝日だけじゃなくて、その前日もお祭りに


ある打ち合わせの日時を決める時のこと。候補として3月7日が挙がったのですが、「その日の午後はどこへ行っても仕事にならないから、やめた方がいい」と、うちの社員から指摘がありました。

理由は、3月8日は「国際婦人デー」という祝日だから、だそうです。3月8日当日は祝日なのですが、その前日の午後からどこの会社も「わくわくモード」で、仕事のペースがすっかり落ちてしまう。だから、よその会社訪問もまじめな打ち合わせもそういう日にはなかなかできない。
(ロシアの国際婦人デーについては記事「8-е марта(3月8日)」で紹介しました)

実はうちの会社でも、従業員たちが祝日前日の勤務中にシャンパンを飲み、日本人の上司たちに怒られてしまったことがあります。その日外出で会社にいなかったタチアナは双方の言い分を後から聞くことになりました。日本人側の言い分をわざわざ取り上げるまでもなくみなさん容易に想像できると思いますけれども、ロシア人たちは「少しだけ飲んですぐ仕事に戻るつもりだったのに、せっかくのムードを台無しにされてしまった」という気持ちで、自分たちが完全に被害者だと思っている様子でした。

日本では考え方が違うよ、と説明しようとしましたけれども、普段なら日本のことに興味を持っている同僚たちでも、こういうときばかりは聞く耳を持たず「ここは日本じゃないんだから」とムッとしたままでした。


■前日のお祭り騒ぎは国家認定

こうして祝日の前日はロシア人は「お祭りモード」で仕事が手に付かない。そして、なんと、国家もそういう気持ちを認めています。ロシアでは「祝日の前日は勤務短縮の日」として正式に決まっています。つまり、3月7日のような祝日前日は、1時間だけですが、勤務時間が短縮されます。

祝日を楽しみにしている社員は日本でも多いはずですけれども、ロシアとはやはり違います。気持ちがあるがままに行動に現れてしまい、トップマネージメントを含めて会社単位で堂々と「休みモード」にひたってしまう風景。私の経験からすれば日本ではなかなか見られないと思います。

以前、「ロシアでは社交的な笑顔があまりなくて、皆さん本当にうれしい/楽しいときにしか笑わない」ということを紹介しました。反対に「うれしければそれはそのまま行動に出てしまう」ことがこの祝日前日のロシア人の様子からよくわかります。
(関連記事:「ロシア人は無表情」のウソ=お世辞笑いは嫌い、でもユーモアは大好き!

あくまでも私の印象ですけれども、日本人は自分の立場を考えて行動をすることを子供のときから教育されていると思います。しかし、日本ではごく当たり前に行われているこのような教育はロシアでは特別に重要視されることなく、結果的にロシア人が「気持ちの赴くまま」で行動をする場面が日本人よりもずっと多いと思います。

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