■8日焼身チベット人の名はリクジン・ドルジェ(19)/ティドゥルで1400人が抗議行進/ナンチェンで「ラカル」活動■*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年2月9日付記事を許可を得て転載したものです。
*2010年10月、ダルツェド。街中を走る装甲車に「チベット族・漢族は一家族」と書かれた横断幕がくくりつけられている。家族に装甲車を送りつけるというブラックジョークだろうか。
2012年2月8日、ンガバ(四川省アバ・チベット族自治州)で、チベット人1人が焼身抗議を行った。ダラムサラ・キルティ僧院の僧侶カニャック・ツェリンのメールにより、焼身抗議者の身元が判明した。
■ンガバの焼身抗議8日、ンガバの第二小学校の前でチベット人が焼身抗議を行った。リクジン・ドルジェさん、19歳。ニックネームはリクペという。ンガバ県メウルメ郷第二地区のガルパ・ツォンコ家の出身で、父の名はツェンコ、母の名はドゥンカルと伝えられている。
焼身抗議後、警官と軍が彼を連れ去った。当初、ンガバの病院に運び込まれたが、後にバルカムの病院に移送されたという。8日夜時点で重体と伝えられている。
リクペは6人兄弟の末っ子。幼少時にキルティ僧院僧侶となった。ひかえめな性格で、僧院ではハトの飼育係を担当していたという。優しく勤勉な子供であった。2010年に還俗し、実家で牧畜の仕事を手伝っていた。腹違いの兄弟であるラプテンが、現在、ダラムサラ・キルティ僧院で勉強している。
■5日、チョナン・セ僧院僧侶によるキャンドル行進
5日夕方、ンガバ近郊のチョナン・セ僧院の僧侶たちによる抗議のキャンドル行進が行われた。街に向かって更新中、保安部隊に阻止されたという。その後、僧侶たちは僧院の周りを右遶した。拘束者が出たかどうかは不明。
ンガバ・キルティ僧院では、1月25日から2月8日にかけ、恒例の大祈祷祭(モンラム・チェンモ)が行われた。ただし期間中は私服警官約400人が僧院に常住し警戒が続いた。特に5日から8日にかけ警備体制が強化され、ンガバ住民は行く先々で職務質問と身体検査、そして嫌がらせを受けたという。特に8日朝からはンガバに通じる全ての道路で検問が強化された。道には軍人と警官があふれ、人々はどこにも出かけられない状態となった。
同様に大祈祷祭が行われていたセ僧院、アンドゥ僧院、ゴマン僧院ではこれに参加する僧侶や一般人に対し保安部隊が嫌がらせと脅しを繰り返したという。
■8日、ケグドで1400人参加の抗議デモ
RFAチベット語版、
RFA英語版などの報道によると、8日午前10時頃、ユシュのケグド(青海省玉樹チベット族自治州)ティドゥ県ガトゥ郷ニャツ村にあるシルカル僧院の僧侶約400人が横断幕を掲げ、郷の中心であるガトゥに向かい行進を始めた。
横断幕には青と赤で「ダライ・ラマ法王をチベットにお迎えしよう」「パンチェン・ラマを始めとするすべての政治犯を解放せよ」「チベット人よ連帯しよう」「チベット人の命を尊重せよ」「チベット語を尊重せよ」等と書かれていた。
約12キロ先にある郷中心地に向かい、行進は2時間ほど続いた。しかし中心地手前の橋にさしかかった時、軍隊が現れ、行く手を遮られた。これを知った地元のチベット人約1000人がデモに合流した。