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中国のバレンタイン=バラとチョコと愛情保険の情人節

2012年02月14日

2012年2月14日はバレンタインデー。中国語で「情人節」と言う。というわけで、中国のバレンタイン事情をお伝えする。


タイトルなし
タイトルなし / Ben XU

■金太郎飴的?!中国若人の祝日


おかげさまで「KINBRRICKS NOW」も設立以来、2度目のバレンタインを迎えることとなった。というわけで、昨年書いたバレンタイン記事をコピペすると、ほとんど手間がかからない。

中国バレンタイン最前線=七色バラに罵倒チャット、不思議なネタがいっぱい!
KINBRRICKS NOW、2011年2月13日

基本的なことを抑えておくと、

Q:中国でバレンタインデーって祝うの?

A:若者は祝う。広まったのはクリスマスと同じくここ10年ではないか。クリスマスと同じく、日本経由で資本主義の悪しき風習が広まったのだ!日本許さまじ!

Q:じゃ日本と一緒?

A:結構違う。映画見たりメシ食ったりのデート。で、バラとプレゼント贈る。金は男持ち。

Q:クリスマスと一緒じゃない?!

A:少なくとも私が経験したかぎりにおいては。まだ歴史が浅いイベントだから、「バレンタインには**が必須!」みたいな風習ができていたり、これから出来たりする可能性はあるけど。

正直、昨年からあまり変わってはいないはず。というか、クリスマスやバレンタインデー、そして光棍節などの「若人向け祝日」はだいたい似たり寄ったり。カップルはデート、独り者は仲間と遊ぶ、祝日需要を狙ってのバーゲンといった内容だ。


■日本のチョコ文化が中国をむしばむ!?

去年と一緒、で終わってもいいのだが、なにか変化はないかと情報を集めていると、チョコレートネタがかなり目につく。中国のバレンタインデーといえばバラが付き物(いや、クリスマスもやはりバラなのだが……)、チョコは少ない印象だったのだが、勢力を伸ばしているようだ。隣国・日本という成功例を考えれば、中国チョコ業界が必死になって勢力拡大に取り組むのもむべなるかな。

ちなみにバラを贈る時にも詐欺的風習があって、7本で「ひそかに愛していました!」、99本送ると「永遠の愛」などメッセージになるというネタがある。ブログ「北京メディアウォッチ」が詳しく紹介している。ただし本数ごとのメッセージには別の解釈もあるようだ。

私は中国滞在時に女性にバラを4本贈ったことがあるのだが、それはたんにおつりが出ないようにするため(1本5元とかだった記憶)。ところが後から「4本はどういう意味?」と聞かれて答えに苦しんだ経験がある。こんなことなら1本にしとけば良かったと悔やんだものだ。


■大学付近のホテルは満杯

毎年恒例のネタだが、大学付近のホテル、日租房(デイリーマンション)、鐘点房(時間貸しマンション)が満杯という報道もどっさり。中国にはいわゆるラブホテルがないかわりに、日租房(デイリーマンション)、鐘点房(時間貸しマンション)がその代わりのような役割を果たしている。

一方でビジネスホテルチェーンも学生客でいっぱい。中国では通常のホテルでも半日貸し、3時間貸しといったラブホテル的用途に適したプランが用意されている。それどころか、より高級なホテルでもバレンタイン向け商品をグルーポン系共同購入サイトで販売しているという記事もあった。ワインとお風呂に浮かべるバラの花びらがセット、なんていう謎のサービスもあるようだ。

中国の大学はまだ冬休み中だが、バレンタインを恋人とともに過ごすために学校に戻ってきた学生も少なくないとか。学生の倫理が……と嘆くのも毎年定番のネタだが、「学生なんてそんなもの」と慣れた人のほうが多くなってきたようにも感じる。


■愛情のために保険を買おう

ぱらぱらと記事を眺めていて、一番面白かったのが羊城晩報の記事「愛情に『保険』を買おう」というもの。バレンタイン特集の一部だが、あまり関係はない。紹介されているのは保険会社・生命人寿が昨年10月に発表した新型保険「生命赤バラ年金保険」。

既婚女性だけが入れる養老年金型の保険だが、離婚して途中解約する時に特徴がある。払戻金は妻の財産になるという契約内容なのだ。離婚時の財産分与で血みどろのバトルを繰り広げるとしても、払戻金だけは100%、妻の財産になるという仕組みだ。

この保険ができるきっかけとなったのは、昨年10月の新「婚姻法」解釈。不動産の所有権は登記簿通りだと打ち出して話題となった。夫の名前で不動産登記されていると、離婚時の財産分与で妻には不動産がもらえないのか!と中国全土を揺るがす大騒ぎに。

不動産はともかく、愛情の印に妻名義の財産として保険をかけとくのはどうでしょう、というのが「生命赤バラ年金保険」となる。なかなか他社との差別化が難しい年金製品の中で、なかなかユニークなセールスができそうな商品ではないか。中国では相当売れそうな商品のような気がする。「どうせ離婚しないんだから、この保険にしましょう」と言われると、男性も断り切れなさそうだ。

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