• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

中国オタク用語発の流行語「売萌」=あざとすぎる「萌えの押し売り」はご勘弁(百元)

2012年02月15日

■中国のネット流行語「売萌」■

*本記事はブログ「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年2月2日付記事を許可を得て転載したものです。


Cosplay
Cosplay "Macross F - Sheryl" / SHINEZ Photo

■中国オタク発の流行語「売萌」


中国のネットでも独自のネタ混じりの言葉が流行ったりしていますが、その中には中国オタク関係の用語から広まった流行語も存在します。過去にそういった流れで一般化(?)した言葉には「偽娘」や「腐女」「BL」といったものがありますが、2011年に中国のネットでは「売萌」という言葉が、中国オタク用語から広まりネットの流行語にまでなってしまいました。

この言葉、やはりネットで広まった独自の用語ということで「売萌とはどんな意味なのでしょうか?」といった質問がネットで飛び交っていたりします。今回は中国のネットで見かけた「売萌という言葉の意味は?」という質問への回答を、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国オタクによる「売萌」解説

まずは「萌」と言う概念の説明を。「萌」とは余計なものを伴わない純粋で美しい喜びや愛、感謝、喜びといった閃きにも似た心のことです。そして「売萌」とは、自己の萌えポイントをハッキリと見せる、アピールするといった意味になります。

元々「売萌」は萌えの強調という程度の意味でしたが、最近では過度に萌えを売りにしている商業的なアニメや漫画の増加や、最萌えトーナメントなどで自分の応援するキャラをあの手この手でアピールする行為が行き過ぎたレベルになったりすることなどから、現在ではネガティブな意味もある言葉になっています。また、使われる範囲に関してはアニメや漫画だけでなく娯楽分野で幅広く使われるようになっています。

オタク関係で「売萌」という言葉が出たら、萌えを使ったあこぎなやり方への批判というのが多いですね。もちろん、批判を装った「あまりにも萌えすぎる!」というネタ系の表現になることもありますが。

例としては、「東方シリーズ」の魔理沙の語尾についている「DAZE」などですね。これは明らかな「売萌」です。この言葉自体は何の意味もありません。それ以外にも、例えば「化物語」の羽川翼の障り猫状態なども「売萌」です。

「萌え」という言葉に近いのは「可愛い」という言葉ですね。そしてそれに「売」がつく行為についてですが、言ってしまえば制作サイドが作中のキャラクターを様々な手段を用いて「萌え」を演出して視聴者の機嫌を取るということです。

アニメや漫画では制作側のやり方についての批判という意味合いがあったりしますが、一般的な場面で使うなら動作や喋り方、喋る内容などにより「かわいこぶる」という意味にもなりますね。

一つ例を挙げましょう。あなたがどこかでとても可愛いロリっ娘に出会い、その子が可愛い口調で甘えてきたときにあなたの心はきっと「萌え」を感じると同時に、そのロリっ娘がわざと「売萌」してきているのではないかと疑うはずです。

そのままでも萌えるポイントを強調するのも「売萌」と言えます。アニメや漫画のキャラや人間以外でも。例えば猫はそのままでも萌える存在ですが、萌えるオプションパーツを装備させたり、猫の萌える行為を演出したり、猫の画像を加工して萌えるネタ画像を作ったりするのも「売萌」ですね。

萌えのポイントはアニメや漫画における、いわゆる「ロリキャラ」だけでなく、美少女や美少年などの様々なジャンルに存在します。カワイイ、カッコイイといった印象だけでなく、無表情やアホの子、毒舌、更には方言(日本のアニメでは関西弁がメジャーです)等までが「萌え」となります。そしてそういったポイントを故意に強調したりするのが「売萌」です。二次元の萌えの中には三次元と共通のものもありますし、三次元の社会でも「売萌」的な行為は少なくありませんね。

「萌」という漢字そのものの意味は、日本語も中国語も基本的には変わりません。しかし、時代と共に新たな意味や使い方が加わっているのです。その新しい意味での「萌え」をアピールする、または「萌え」のフリをするのが「売萌」です。

「萌え」の範囲は広いですが、「売萌」の使われる範囲はについてはそこまで難しく考える必要はないかと。基本的には「自分の萌えポイントをアピールする」ということで、その流れの上で「かわいこぶる」「かわいこぶった内容や口調の発言を行う」「かわいこぶってとぼける」といった意味で使われています。

「売萌」というのは元の意味としては「自分の萌えポイントのアピール」といった意味でしたが、アニメや漫画関係では手段を選ばない萌えの強調といった意味でも使われるようになっています。そして現在一般で使われる場合には「かわいこぶる」といった意味にもなります。

今でこそ「わざと」という点が強調されネガティブな意味もついてしまいましたが、「売萌」自体は非常に愛のある行動です。「売萌」が存在するということは、つまり萌えポイントや萌えアイテムがあるということです。それに対して感じる「萌え」の心を大事にしたいものですね。

「売萌」と判断されやすいのは、萌えの公式に基づいた計算で作られた作品ですね。「狙っている」というのが分かってしまう、「萌えのためだけに作られた萌えキャラ」というのは典型的な「売萌」です。計算された合理的な萌えでは感動を生み出すのは難しいのです。

それでは、三次元で「売萌」をやる方法を教えましょう。カワイイ声(甘ったれた声や柔らかい声だとベターです)を出して、カワイイ表情や動作をするのです。それで「売萌」になります。カワイイ格好をして、猫っぽい動作をして語尾に「喵」(ミャオ)とかつけるなんてのもいいですね。

「売萌」という言葉が出てきたのは「萌えの公式」でキャラが大量生産されているということへの不満や批判という面もあります。アニメや漫画が激しい競争と過度の商業化により、安易な萌えに走って作品の質が低下している現状はまさに「売萌」としか言いようがありません。

「売萌」を「かわいこぶる」と理解するのも間違ってはいないのですが、一部の人の間では「売萌」は「かわいこぶる」よりも更に上のパワーがあるといった扱いになったりしていますね。

気を付けなければいけないのは「売萌」と「バカなフリをする」というのは別だということです。確かにバカっぽい動作で萌えを演出するということはありますが、「バカになる」ということではないのでご注意を。

萌えをアピールする「売萌」はネタで使ったりできますし、それほどネガティブな意味にはなりませんが、「バカなフリをする」ととられた場合は悪い意味にしかなりません。もし「売萌」するならきちんと状況を見て使うべきでしょう。例えば「検索って何ですか?本当に分かりません><」といった発言は「売萌」ネタとして許される場所と、そうでない場所があります。

とまぁ、こんな感じで。


■「売萌」と「売肉」
 
「売萌」という言葉は中国オタク内でのやりとりから始まって、その後はネットのネタ用語的な扱いになっているようです。

この「売萌」を無理矢理日本語にするなら「萌えの押し売り」「故意に萌えをアピールする」「萌えを強調したあざといやり方」といった所なんでしょうかね。また「売萌」はネガティブな意味だけでなく、日本のネットで使われる「あざといなさすがLat式あざとい」といったような感じのネタ混じりのほめ言葉になったりもするようです。

ちなみに中国オタク用語において、「萌え」をエサにする作品は「売萌」と言われますが、お色気シーンがエサになるような作品だと「売肉」と言われます。

そして、「萌え+エロ」な作品の場合はケースバイケースで判断されるようです。中国オタクのやり取りの印象からは「ToLOVEる」くらいまでがどうやら「売萌」の範疇のようです。そして、「そらのおとしもの」、「クイーンズブレイド」、「ヨスガノソラ」、「一騎当千」といった辺りまで行くと「売肉」な作品と判断されるそうです。

しかし、こういった基準で考えた場合「ToLOVEるダークネス」は「萌」と「肉」のどっちになるんでしょうかね?ラブコメ系は「萌」の範疇に入ることが多いようですが、ダークネスは「肉」な部分がやたらと多くなっていますし。

 コメント一覧 (1)

    • 1. NNN
    • 2012年12月04日 05:29
    • 萌え蔓延ざまあー

      フェミ女激怒

      萌えは死なぬ

コメント欄を開く

ページのトップへ