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王立軍事件の行方=薄熙来は無傷で済むのか、重慶市政法会議を欠席(水彩画)

2012年02月20日

■薄熙来は無傷で済むのか■

*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年2月19日付記事を許可を得て転載したものです。


落陽がみごとな茜色
落陽がみごとな茜色 / wajun

次期中国共産党最高指導部入りを目指す太子党の雄・薄熙来。その腹心・王立軍が公安業務を解任され、さらに「休暇式治療」という表現で失脚が明らかになり、そして亡命を狙ってか米領事館に駆け込んでいた(追い返されたが……)という驚くような流れが続きました。
シリーズ:「打黒英雄」の失脚と薄熙来の危機


■重慶市の指導部人事異動

2012年2月18日、重慶市は指導部人事の異動を発表しました。2月2日に王立軍が市公安局を解任されてからわずか16日の再編です。なお王立軍は副市長のまま、です(華龍網)。この人事を決定した重慶市常務会議は13日の開催。王立軍の後任となる関海祥の江津区党委書記解任も同日午後に決まっています。

参照リンク:

17日、関海祥は公安局党委書記として、「2012年春季打黒」を指示。引き続き黒社会撲滅を進めるよう訓示しています。また、王立軍による重慶警察の活動や打黒(汚職官僚・マフィア撲滅)の成果は素晴らしいものだったと評価しました。

この発言は、少なくとも17日時点で、王立軍は「政治的には無事」であることを証明するものでしょう。現時点では結論が出ていないだけで、今後の無事を保証するわけではありませんが。王立軍に関する公式情報は、「2月6日に成都の米国領事館に入り、1日滞在した後自ら離れた」が最後です。

領事館駆け込み事件について、中央紀律検査委員会の調査を受けていることは確実であります。もっとも昨年2月に失脚した劉志軍・元鉄道部部長は「汚職容疑で」と公式にアナウンスされましたから、それよりはまだ軽い状態と言えるかと。このまま正式な罪状がアナウンスされることなく、解任される可能性も考えられます。


■薄熙来の未来

さて、王立軍のボスにして、次期最高指導部(政治局常務委員)入りが取りざたされている薄熙来について。中国政局に強い北米華字ニュースサイト・多維網が観測記事を出しています。

「薄熙来、黄奇帆が重慶市政法会議を欠席=憶測招く」(多維新聞、2012年2月16日)


一つの材料となりそうなのが、16日に開催された重慶市政法会議。2011年は重慶市トップの薄熙来、ナンバー2の黄奇帆が出席し、重慶市官制メディアの重慶日報が一面で大々的に報じていたのですが、今年は両者ともに欠席。記事も2面でこじんまり扱われるにとどまりました。欠席の理由は不明ですが、事件について説明するため北京に行っていた可能性もありそうです。そのうち目撃情報が伝えられるのではないでしょうか。

もっとも多維は2009年、2010年の政法会議も2人が欠席していたと指摘。薄熙来の傷は深くないとの見方をクズしていません。私には無傷だとは到底思えないのですが、多維と意見が分かれるのは今に始まったことではないので、気にしないことにします。

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*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年2月19日付記事を許可を得て転載したものです。 

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