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緊張高まるチベット問題、新たに作家2人の拘束=2008年以来50人超に(tonbani)

2012年02月21日

■続くチベットの知識人逮捕■

*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年2月19日付記事を許可を得て転載したものです。


Pelikan Fountain Pen
Pelikan Fountain Pen / David Blackwell.


■拘束されたチベット人知識人は50人以上に


チベット人作家・ウーセルによると、中国当局に拘束、逮捕されたチベット人作家、芸術家、知識人の数は2008年以来50人を超えている。「報道の自由」擁護を訴える国際NGO・CPJ(The Committeeto Protect Journalists、ジャーナリスト保護委員会)は、先日、懲役刑を受けた中国のジャーナリスト27人のリストを公開したが、うち10人はチベット人だった(チベット人権民主センター)。

そして現在、チベットの緊張が高まる中、再び2人の作家が拘束されたと伝えられた。


■教師、作家のガンケ・ドゥパ・キャップの拘束

2月15日午後11時ごろ、ガンケ・ドゥパ・キャップ(33歳)が拘束された。カンゼ(四川省カンゼ・チベット族自治州)、セルタ県の自宅に公安と秘密警察約20人が押しかけ、連れ去ったのだ。妻のワンチュック・ラマは、家の中をむちゃくちゃにしながら捜査する警官たちに対し、「逮捕令状と家宅捜査令状はあるのか?あるなら見せてほしい」と要求したが、警官たちは「話が聞きたいだけだ」と答えるだけで、令状を見せなかったという。

ドゥパ・キャップはカンゼ師範学校を卒業後、カンゼやセルタで教師を続けていた。その一方でさかんに分筆活動を続け、多数の著書もある。筆名はガンメタク。チベットでは有名な作家だという。主な著書は『今日の涙』『運命の呼びかけ』『時代の苦しみ』『歳月変色』など。

8歳になる娘と5歳の息子がいるが、連行された後の消息は不明だ。

参照リンク:
18日付RFA英語版18日付TibetNetチベット語版19日付ウーセル・ブログ19日付AP


■作家ダワ・ドルジェ、ラサ空港で拘束

2012年2月3日、作家ダワ・ドルジェ(23歳)がラサ空港で拘束された。その後、消息を断っている。四川省成都市でチベットの作家、文化人、歌手を集めたチベット文化講演会とコンサートを開催、故郷に帰るためラサ空港へ移動した時のことだった。

ダワ・ドルジェは西蔵大学在学中、故郷ディル(チベット自治区ナクチュ地区ディル県)の知識人たちと共著で、著書『道(伝統)』を出版している。同書は人気を集め、今は5刷が出ているという。ダワ・ドルジェは同書で、民主主義、人権、トゥルク(転生ラマ)のあり方、(チベットの)習慣などについて論じている。

卒業後、ナクチュ地区の政府部局で法関連の研究者として就職した。しかし中国人責任者の仕事のやり方、チベット人への差別意識、賄賂の横行、法律無視に我慢できず、去年5月に辞職している。去年3月には青海地震被災地であるジェクンド(青海省玉樹チベット族自治州)を支援するために20万元(約240万円)以上の義援金を集め、被災地の子どもを支援するプロジェクトをスタートしたが、当局の妨害を受け続けていたという。

参照リンク:
18日付TibetTimes18日付RFA英語版

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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年2月19日付記事を許可を得て転載したものです。 

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