■続くチベットの知識人逮捕■*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年2月19日付記事を許可を得て転載したものです。

Pelikan Fountain Pen / David Blackwell.
■拘束されたチベット人知識人は50人以上にチベット人作家・ウーセルによると、中国当局に拘束、逮捕されたチベット人作家、芸術家、知識人の数は2008年以来50人を超えている。「報道の自由」擁護を訴える国際NGO・CPJ(The Committeeto Protect Journalists、ジャーナリスト保護委員会)は、先日、懲役刑を受けた中国のジャーナリスト27人のリストを公開したが、うち10人はチベット人だった(
チベット人権民主センター)。
そして現在、チベットの緊張が高まる中、再び2人の作家が拘束されたと伝えられた。
■教師、作家のガンケ・ドゥパ・キャップの拘束2月15日午後11時ごろ、ガンケ・ドゥパ・キャップ(33歳)が拘束された。カンゼ(四川省カンゼ・チベット族自治州)、セルタ県の自宅に公安と秘密警察約20人が押しかけ、連れ去ったのだ。妻のワンチュック・ラマは、家の中をむちゃくちゃにしながら捜査する警官たちに対し、「逮捕令状と家宅捜査令状はあるのか?あるなら見せてほしい」と要求したが、警官たちは「話が聞きたいだけだ」と答えるだけで、令状を見せなかったという。
ドゥパ・キャップはカンゼ師範学校を卒業後、カンゼやセルタで教師を続けていた。その一方でさかんに分筆活動を続け、多数の著書もある。筆名はガンメタク。チベットでは有名な作家だという。主な著書は『今日の涙』『運命の呼びかけ』『時代の苦しみ』『歳月変色』など。
■作家ダワ・ドルジェ、ラサ空港で拘束
2012年2月3日、作家ダワ・ドルジェ(23歳)がラサ空港で拘束された。その後、消息を断っている。四川省成都市でチベットの作家、文化人、歌手を集めたチベット文化講演会とコンサートを開催、故郷に帰るためラサ空港へ移動した時のことだった。
ダワ・ドルジェは西蔵大学在学中、故郷ディル(チベット自治区ナクチュ地区ディル県)の知識人たちと共著で、著書『道(伝統)』を出版している。同書は人気を集め、今は5刷が出ているという。ダワ・ドルジェは同書で、民主主義、人権、トゥルク(転生ラマ)のあり方、(チベットの)習慣などについて論じている。