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他の国とはちょっと違う?インフォグラフィックで読む中国の左派VS右派(Alex)

2012年02月26日

■訳してみた:図でわかる中国の左翼と右翼■

*本記事はブログ「オレ的中国の実態」の2012年2月25日付記事を許可を得て転載したものです。


■中国の左派と右派

最近、しゃれたデザインの1枚絵で、あるモノゴトについて説明しているものが多いですね。
インフォグラフィック、Wikipeidia

と思っていると、中国の左派と右派について説明したインフォグラフィック「図解政治:中国の左派VS右派」があったので、ご紹介します。

20120226_写真_中国_右翼、左翼
*クリックで拡大します

上から順に翻訳していきます。

◆政治について
(1)核心的観点

左派:中国モデル、国家主義、平等
政治への国民の普遍的参与を確保する、公権力に十分の合法性を与える、個人の利益は国の利益に服従する
 
右派:普遍的価値、自由主義、普世価値、自由
個人の自由と権利が保証された権力が制限された政府、憲法と法治で政府権力を監督・制約する、個人の権利は国に優先する


(2)いかに民主主義を実現するか
左派:参加式民主、直接民主制
国の強力な干渉を通じて、財産と階級の平等を前提とし、国民の普遍的な民主を保証する
議会制民主は「偽りの民主」である。政府は少数エリートに乗っ取られ、一般国民は除外されてしまう。

右派:代議制による間接民主制を提唱
過程の正義を強調。暴政を防ぎ、民主の承諾を果たす手段となる。
直接民主制はコストが高く、リスクも高い。なおかつ歴史上の失敗経験もある


(3)毛沢東時代の評価
左派:合理性を肯定
→(当時の)制度的イノベーションを再発見
→積極的作用を肯定
→(毛沢東時代の)「大民主」を学ぶ
 
右派:否定的
→私的財産の剥奪
→社会的公共財産への占有
→異なる意見への政治的圧力


◆国際観
左派:民族主義、欧米「覇権主義」への警戒、「売国奴」批判
右派:アンチ民族主義、先進国から学べ、極端な民族主義=「愛国賊」


グローバル化をどう評価するか
左派:
中国は不公平な世界資本主義体制に巻き込まれ、資本主義が中国で氾濫している。外部資本主義を拒み、外資系企業の浸透を警戒すべき
右派:中国の社会進歩を阻むのは外部の資本主義ではなく、内部の時代遅れの体制とイデオロギー。対外開放を拡大、深めるべき


◆経済について
(1)核心的観点 
左派:福祉国家、市場は政府により規制とコントロールされるべし
右派:自由市場、政府の関与に反対

(2)改革に伴う腐敗、貧富の差をどう評価するか?
左派:
原因:「市場化改革→資本の自由化→特権の加速→格差の拡大」
解決法:公有財産を維持、国家権力の強化、財産の再分配
右派: 
原因:「不徹底な市場化改革→権力者が利益を求める→格差の拡大」
解決法:改革を進め、市場経済を発展させ、政府の権力を制限する


◆文化について
左派:欧米の文化覇権主義に反対、「文化殖民」「文化侵略」
右派:欧米の文化を認める、いいところを学ぶべし


◆崇拝する書物
左派:
アントニオ・グラムシ『グラムシ獄中ノート』
ヘルベルト・マルクーゼ『一元的人間』
ジャン=ジャック・ルソー『人間の間の不平等の起源と基盤についてのディスクール』
カール・マルクス『資本論』

右派:
フレードリヒ・ハイエク『隷従への道』
アレクシ・ド・トクヴィル『アメリカの民主政治』
ジョン・スチュアート・ミル『自由論』
ジョン・ロック『統治二論』


◆代表的人物
左派:王銘光、崔之元、甘陽、汪暉
右派: 劉軍寧、秦暉、朱学勤、徐友漁


◆欧米との比較
中国の左派→保守的、右派→革新的
欧米の左派→革新的、右派→保守的


■終わりに一言

以上、インフォグラフィックの紹介でした。「左派」「右派」と言っても、人間すべてをこの二つに分類しようとするのは愚かなる行為。でも、以上の左派項目のほぼ全てに当てはまる左派サイト「烏有之郷」の奴らは間違いなく左派でしょう(笑)。中国では「毛左」ともよばれてます(笑)

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*本記事はブログ「オレ的中国の実態」の2012年2月25日付記事を許可を得て転載したものです。 

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