■最近のロシアの窓はかわいくない!■*本記事はブログ「ロシア駐在日記」の2012年2月22日付記事を許可を得て転載したものです。
今日は、ロシアの家の窓についてお話しようと思います。

ロシアの昔ながらの家は、窓がなかなかおしゃれです。ガラスが決まってT字型になっていて、窓の周りに木の装飾が施されています。

しかし、下の写真のように、T字型が崩れている場合もあります。これは、家の住民たちが後から小窓を作ったからです。私の実家のマンションでも父親は同じように小窓を作りました。冬は換気しようと窓を全部開けてしまうと寒いけれども、小窓ぐらいならちょうどいい、という発想のようです。
残念ながら、昔ながらのロシアの窓は隙間が多い。私が小さいとき、毎年冬に向けて自宅や保育園では、窓の隙間を綿か何かで埋めて風を通さないようにしました。こうした「工事」は秋のちょっとした「恒例行事」でした。
ところが、ロシアで久しぶりに暮らし始めて、広告などからпластиковыеокна(プラスチック窓)の存在を知りました。どうも、これは新しい技術を使った窓で、普通のガラスよりも割れにくく、なおかつフレームも従来の木製とは違って、隙間風を通さないらしい。
そして、あっちこっちに古いガラス窓をこの新しいプラスチック窓に変えるようになりました。室内が暖かくなるからいいことなのですが、ちょっとだけ気になることがあります。というのは、この窓は見た目が従来とは違っていて、伝統的なT字型はなくなっているのです。
例えば、下記の写真です。左側の窓は「従来」のガラス窓ですけれども、右は新型のプラスチック窓です。両者は明らかに違います。

そして、今のロシアでは両方のタイプの窓が「混在」していて、同じ建物でも、半分は古い窓、半分は新しい窓、というパターンが非常に多いです。

同じ建物でも、オーナーが違うからそうなっているのではないか、というのが私の推測です。

下記のように、オーナーが違えば、建物の色も違う場合もあります。ちなみに、緑の部分には張り紙があって、その部分は売りに出されているようです。

このエントリーにある写真はすべてスーズダリで撮ったものですけれども、ニジニ・ノヴゴロドでもこうした建物が非常に多いです。

見てて、なんだかロシアの窓の「変換期」に立ち会っているような気がします。

しかし、保守的なタチアナは新しいプラスチック窓の見た目になかなか慣れなくて、見るたびに「物足りない」気がしてなりません。どうも私は毎回ついつい昔ながらのTの字を求めてしまうようです。


そして、下記の写真のようにおしゃれに修繕されてなおかつ窓がT字型になっている窓を見て、なぜかほっとします。
