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ガンディー一族の「プリンス」敗れる=インド人口最大の州で地方議会選挙(ucci-h)

2012年03月10日

■インドの貧困層の多い2億人の州選挙で‘ガンディー王朝’昇れず■

*本記事はブログ「チェンマイUpdate」の2012年3月8日付記事を許可を得て転載したものです。



■ウッター・ブラデッシュ州

人口12億人を抱えるインドには28の州と7つの連邦直轄領がある。中でも首都デリーの東に位置するウッター・プラデッシュ州は2億の人口を抱えるインドでも一番人口の多い州だ。もし独立国だったならば、中国、インド、アメリカ、インドネシアに次ぐ、人口世界第5位の国になる。

同州にはタージマハールのあるアグラや沐浴場のあるマトゥラの聖地などがある。カーペット生産でインドの輸出量の75%も占めるという州は、児童労働も多く、インドでも貧困州と言われる。カーストの下位にある貧困層は、1日100ルピー(170円ほど)の収入だと言う。乳児死亡率、寿命、文盲率、栄養不足、どれをとってもインドの下位にあると言う。


■州議会選挙

このウッター・プラデッシュ州で、議会選挙が行なわれた。2月から3月まで7回に渡って行なわれたインド最大州の選挙結果が、3月6日に出揃った。この貧困の多い人口最大州では、過去22年、政権は、BJP、SP、BSPという政党が政権を取り、連邦政府で力のある“ネルー・ガンディー王朝”の国民会議派は政権を取れないでいる。
国民会議派は、将来のリーダーと目される“プリンス”ラフル・ガンディー(41歳)を選挙戦に送り込んで、このインド最大州の政権獲得を目指したが、結果は見事に敗れ、4位に留まった。

1位:SP(サマワディ党、社会主義)34%(前回2007年は25%)
2位:BSP(バフジャン・サマティ党、中道左派)24%(30%)
3位:BJP(バラティヤ・ジャナタ党、保守系)14%(17%)
4位:国民会議派12%(13%)

この結果、低カーストの権利を主張するマヤワティ女史(56歳)のBSP中道左派政権に代わって、元レスラーのムラヤム・シン・ヤダフ党首(72歳)の率いるSP社会主義政権が州議会の最大勢力に復帰した。また、ラフル・ガンディー(41歳)の将来性も、また汚職やインフレで揺れる現シン連邦政権の今後も怪しまれるようになった。

もっとも、ラフル自身への期待はウッター・プラデッシュ州でも高く、選挙時の次の国のリーダーには誰がいいかというアンケートには、州民の38%がラフル・ガンディーを挙げ、今回州の政権獲得の立役者となったSP党首ムラヤム・ヤダフの息子、アキレッシュ・ヤダフ(38歳、次の州の首相と目される)の21%を上回って、トップだった。
また、次の連邦選挙は2014年だから、まだ時間はある。しかし、ネルー・ガンディー王朝の‘プリンス’ラフル・ガンディーと彼の妹の‘プリンセス’プリヤンカ(39歳)との争いは、いっそう激しくなりそうだ。
(関連記事:「インドのネルー・ガンディー王朝物語」チェンマイUpdate、2011年10月1日)

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*本記事はブログ「チェンマイUpdate」の2012年3月8日付記事を許可を得て転載したものです。

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