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貧しい農村出身の彼女を愛している……と思っていたら逆玉だった件―中国(凜)

2012年03月21日

■農村出身の彼女との結婚を迷っていたら実はお金持ちだった■

*本記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の2012年3月11日記事を、許可を得て転載したものです。


Chinese Village
Chinese Village / Yorick_R

中国の写真投稿サイト・貼貼に「农村越来越富啊~岳父大手笔,给了500万我该怎么办?」(農村がどんどん豊かになっている!彼女の父親が500万元くれたけどどうしよう?)という、ちょっと興味深いネタが投稿されていました。


■中国の戸籍制度

中国の戸籍制度では、大きく都市戸籍と農村戸籍に分類されます。特に農村戸籍は移動の自由が制限されています。その結果、出稼ぎ農民の子どもたちは都市の学校に入れなかったり、あるいはさまざまな社会保障を受け入れられないといった社会問題が生まれています。

戸籍制度は経済格差の要因の一つとなり、沿岸部と内陸の地域格差にもつながっています。また戸籍制度に基づく経済格差は農村出身者と都市出身者の生活習慣の違いにもつながっています。そのため両者の結婚にはいろんな問題があるのです。戸籍と結婚をテーマにした「新結婚時代」というドラマも作られたほどです。


■農村出身の彼女と結婚しても大丈夫か?

前置きが長くなりましたが、以下は投稿記事の紹介です。

自分は都市出身者、姓は劉、半年前から農村出身の女性とつきあっている。しかし、両親は彼女が農村戸籍であること、実家が都市部から離れていることを理由に猛反対。

「彼女を嫁にもらったら、誰が彼女の実家を支えるのか」「農村には医療保険がない。もし彼女の両親が大病を患ったら、我が家も破産だ」と説教された。両親の反対は辛いが、私は彼女を愛しているし、彼女も自分を愛してくれている。別れたくない。

彼女の問題で母親とはケンカばかり。旧正月も実家には帰りたくなかった。そこで彼女の実家を訪ねることにした。その時、ふと頭をよぎったのが、彼女の実家の環境があまりにもひどいようであれば、母が言うこともむげに否定はできないということだ。

彼女の実家がある江蘇省まで、列車での旅。寝台車どころか、座席も1つしか取れなかった。一人が座って、もう一人が立ってを交代にして、20時間以上も列車に揺られた。

移動中、自分が立つ時間がほとんどだった。混雑している車内だけにトイレにも行けない。だから水もロクに飲めなかった。苦しい旅路はまるで今後の生活を暗示しているようだ。正直、母親の忠告を聞き入れるべきかと初めて思った。

ところが到着すると、想像とはまったく別の世界が待っていた。実家はまるで別荘のような素晴らしい豪邸。周囲も(行政区画的には)農村だが、高級車が走り回っている。3日ほど実家に滞在させてもらったが、母親の心配が全くの杞憂であることがわかり、晴れ晴れとした気分になった。

彼女の両親も大歓迎してくれて、結婚の話まででた。彼女の父親から家はどうするつもりかと聞かれた(中国では結婚時点で2人の新居を買っているのが望ましいとされている)。彼女の実家はこんなに大きいし、家を買うと言っても安い買い物ではないから、ここに住むのも良いかなどという話になった。

すると、彼女の父親がしばらく考えた後、驚きの提案をしてきた。500万元(6500万円)出してあげるから、近くに家を買ってはどうか、と。


■経済発展を謳歌する中国

あまりにも都合のいい話で、本当の話かどうか疑わしいネタではあります。ただ、急成長を続ける中国では、農村部にも裕福な地域が増えているのは間違いありません。

貧富の差が激しい分、金持ちは本当にすごいリッチなので、ぽんと家を買う金を出してくれるのもありえない話ではないのかもしれません。釣りネタかもしれませんが、中国の変化を感じさせるエピソードでした。

ひそかに進められていた戸籍改革=都市レベルごとに入籍条件を整備―中国(岡本)
農村には帰らない農民たち=新生代農民工に関する社会調査を読む―中国
身分差別に切り込んだ小説『謀殺似水年華』=中国社会派サスペンスの先駆けとなるか(阿井)
「偽りの都市化」を解消せよ=社会科学院が戸籍制度を批判―香港紙

*本記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の2012年3月11日記事を、許可を得て転載したものです。

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