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2012年03月21日
自分は都市出身者、姓は劉、半年前から農村出身の女性とつきあっている。しかし、両親は彼女が農村戸籍であること、実家が都市部から離れていることを理由に猛反対。
「彼女を嫁にもらったら、誰が彼女の実家を支えるのか」「農村には医療保険がない。もし彼女の両親が大病を患ったら、我が家も破産だ」と説教された。両親の反対は辛いが、私は彼女を愛しているし、彼女も自分を愛してくれている。別れたくない。
彼女の問題で母親とはケンカばかり。旧正月も実家には帰りたくなかった。そこで彼女の実家を訪ねることにした。その時、ふと頭をよぎったのが、彼女の実家の環境があまりにもひどいようであれば、母が言うこともむげに否定はできないということだ。彼女の実家がある江蘇省まで、列車での旅。寝台車どころか、座席も1つしか取れなかった。一人が座って、もう一人が立ってを交代にして、20時間以上も列車に揺られた。移動中、自分が立つ時間がほとんどだった。混雑している車内だけにトイレにも行けない。だから水もロクに飲めなかった。苦しい旅路はまるで今後の生活を暗示しているようだ。正直、母親の忠告を聞き入れるべきかと初めて思った。ところが到着すると、想像とはまったく別の世界が待っていた。実家はまるで別荘のような素晴らしい豪邸。周囲も(行政区画的には)農村だが、高級車が走り回っている。3日ほど実家に滞在させてもらったが、母親の心配が全くの杞憂であることがわかり、晴れ晴れとした気分になった。
彼女の両親も大歓迎してくれて、結婚の話まででた。彼女の父親から家はどうするつもりかと聞かれた(中国では結婚時点で2人の新居を買っているのが望ましいとされている)。彼女の実家はこんなに大きいし、家を買うと言っても安い買い物ではないから、ここに住むのも良いかなどという話になった。
すると、彼女の父親がしばらく考えた後、驚きの提案をしてきた。500万元(6500万円)出してあげるから、近くに家を買ってはどうか、と。