中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年04月02日
Sanya Beach Hainan / sanfamedia.com
■成金たるもの、かくあるべし
邢利斌は1967年生まれ。15の炭鉱を抱える山西省・聯盛エネルギー集団のトップとして君臨する。2011年のフォーブス中国長者番付では244位にランクイン。資産額は44億8000万元(約582億円)と推定されている。
これだけの大富豪となれば、9億円などはした金なのかもしれない。2012年3月18日、海南省三亜市のリッツ・カールトン・ホテルで娘の結婚式が開かれた。邢は飛行機3台をチャーター。親戚、友人を引き連れて三亜市に向かった。会場となるリッツ・カールトン・ホテルだけではなく、複数の五つ星ホテルを借り切ったという。
結婚相手は海南省の不動産業者の息子。嫁を迎えに行く車のパレードはフェラーリ6台を連ねたと報じられている。結婚式は人気司会者が進行をつとめ、中国本土、台湾の人気歌手が続々と登場。「旧正月特番か!」とツッコミを入れられるほどの陣容となった。
■山西省の炭鉱王たち
このド派手すぎる結婚式を知ってマスコミが邢の「疑惑」を報じている。ステキな成金ロードの出発点となったのは2002年、山西省呂梁市柳林県の炭鉱をわずか8000万元(約10億4000万円)という激安価格で払い下げてもらったこと。埋蔵量1億5000万トンの優良炭鉱を企業化、上場し、邢はまたたく間に大富豪となった。
山西省の炭鉱王といえば、今や中国では成金の代名詞。中国一の石炭生産地である山西省には一代にして資産を築いた炭鉱王たちがごろごろしている。田舎から都会に出てくると、その驚くべき成金パワーを発揮。現金を詰めた巨大なバッグを持ち歩いてデパートに出没し片っ端から買いあさる。モーターショーに現れては「展示している車を売れ。いますぐくれ」などと無理難題を言ってくる。と山西成金ジョークは今や定番のネタである。
邢はまさにそうした炭鉱王の典型とも言うべき成功道を歩んできたようだ。政府とのパイプを生かして激安で国有資産をゲット。現地住民に金を落とすどころか、汚染だけ押しつけてくる。成功者たちの乱行っぷりが近年、問題になっているだけに、炭鉱王の成金結婚式に向けられた視線は厳しい。
関連記事:
ド田舎農村の環境問題=鉱山反対の農民と企業が衝突、刃物も飛び出し9人負傷―中国
「がんの村」の悲鳴=「今じゃないよ、800年前の汚染だよ」と官僚は弁明―中国
政府「レアアース生産量削減だっ!」中国人「じゃ、勝手に掘るよ(^。^)」―中国