• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

【食品安全】小籠包の熱々スープは革靴でできていた?!中国に襲来した「ゼラチンの恐怖」

2012年04月17日

2012年4月、中国に「ゼラチンの恐怖」が襲来した。


■発端はマイクロブログのつぶやき

発端となったのは記事「革靴から作った添加物がゼリー・ヨーグルトに入ってる?!SNSの怪情報が話題に」でご紹介したネタ。

中国中央テレビのアナウンサーが「調査記者から携帯メールを受け取った。固形のヨーグルトやゼリーは食べないほうがいい、と。特に子どもはね。あまりにも恐ろしい内情だ。詳細はここでは明かさない」とマイクロブログにつぶやき。なんだなんだと詮索が続き、食用ゼラチンの代わりに皮革製品などから作った工業用ゼラチンが使われているのでは、との噂が広がった。

乳製品業界、ゼリー業界は火消しに躍起。「ちゃんと食用ゼラチン使ってますよ!検査にも合格してます!」とアピールを続けた。この時点ではたんなる怪情報に過ぎなかったのだが……。


■CCTVのスクープ

15日、CCTVの名物番組「毎週品質報告」が工業用ゼラチンのスクープを飛ばした。問題の製品はヨーグルトやゼリーではなく薬のカプセルだ。皮革製品を生石灰で処理して作ったゼラチンが使われていた。

1334468436435_1334468436435_r

製造工場に積まれた汚らしい「原料」の絵もばっちり押さえている。だてにCCTVの看板番組ではない、いい絵をとっているととほめてあげたいところだが、たまったものではない。

皮革製品を原料としたカプセルには、重金属クロムが大量に含まれているため、大量に服用すれば健康被害につながる可能性もある。かくして当局は企業9社の製品、計13ロットをブラックリストに記載。回収命令を出している。

そのあおりでこんな不思議な展開も。

中国で工場燃やし証拠隠滅 有害薬用カプセル製造で
共同・北海道新聞、2012年4月17日
公安当局が同日、同社の工場を立ち入り検査していたところ、幹部がパソコンや書類などに火を放ったという。当局は幹部を拘束した。


■拡散する「ゼラチンの恐怖」

怪情報だけならばともかく、CCTVと当局のお墨付きを得た以上、「ゼラチンの恐怖」はまたたく間に拡散している。

工業用ゼラチンのカプセルは以前から流通していた、回収命令が出た9社以外も危ない云々といった情報が飛び交っているばかりか、上海名物・小籠包にまで疑惑は飛び火している。

小籠包といえば、小さな肉まんの中に熱々のスープが入っているステキな点心。本来は豚の皮を煮出して作った食用ゼラチンを入れることで熱々のスープとしているのだが、あるネット民が「小籠包に使われているのは工業用ゼラチンだ!」と告発したものだからさあ大変。ベルトの切れ端や革靴から作った熱々スープを食べていたのかよ!との動揺が広がっている(深圳テレビ)。

去年春も賞味期限切れのマントウ(中華蒸しパン)を再利用した、染色マントウ・ネタが話題となったが、中国では年に数回は大型食品安全騒ぎが到来する。まああんまり騒ぎが広がりすぎると、当局が「そろそろ報道をやめなさい」とのお触れを出して静まることになるのだが……。

それまでは激しい報道合戦が続きそう。次に「ゼラチンの恐怖」が襲来する食料品は何になるだろうか?

関連記事:
【中国食品】毒粉ミルクに地溝油、そして染色マントウ……中国のモラル崩壊は深刻―中国首相
【中国食品】5日間で3トンが破裂!“爆発”するスイカって本当ですか?―中国江蘇省
悪魔の唐揚げと雑すぎる工業塩醤油―中国
<続報>【中国食品】政府高官専用の「安全農園」があった=潜入取材でスクープ―中国


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ