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なぜ「タイタニック」のヌードシーンは検閲されたのか?中国版虚構新聞に釣られまくった世界の大マスコミ

2012年04月18日

中国版「虚構新聞」が流したニュースが歴史的な爆釣を記録。世界中のマスコミがデマに踊りまくっている。2012年4月17日、ボイスオブアメリカが伝えた。


For some reason the lookout on the Titantric had been distracted by the antics on the focsle earlier that day... so he claimed at the titanic inquiry
For some reason the lookout on the Titantric had been distracted by the antics on the focsle earlier that day... so he claimed at the titanic inquiry / Andy Beez

■世界が釣られまくったニュース

日本でも公開中の3D版『タイタニック』、中国ではケイトの「胸」が問題に!?
AOL Celebrity、 2012年4月12日

同国の観客の批判の的になっているのが、ケイト・ウィンスレット演じるローズが、絵のモデルになるため前をはだける場面。SARFTによる"編集版"では、ローズの首から上しか見ることができない。

<The Times of India>は、「俺はかれこれ15年も待ったんだ。それは決して、3Dで飛び出す氷山を見るためじゃない(怒)」と、中国のネチズン(ネット市民、netizen)のコメントを紹介している。

(…)SARFTは今回の件について、「かなり生き生きとした3D効果を考慮し、我々は観客が(飛び出す"何か"に)触ろうと手を伸ばすことで他の観客の鑑賞の妨げになることを恐れました」とコメント。観客同士のトラブルを未然に防ぐべく、ヌードシーンを切り取ったと説明している。

*太字修飾は引用者。 

上記引用はAOLの日本語サイトのものだが、他にもガーディアン、デイリーメール、NBC、フォーリンポリシーなどなど米英の大メディアが釣られている。そればかりか、監督のジェームズ・キャメロンまで米テレビ番組「ザ・コルバート・レポートザ・コルベア・レポー」に出演した際、この話を「事実」として披露したのだとか。

ヌードが見えないように修正されたのは事実だが、SARFT=中国国家テレビラジオ総局のコメントは真っ赤なウソ。このネタの発信源となったのは、4月8日、豆瓣逗你妹さんによる微博のつぶやきだ。

“观众和媒体质疑《泰坦尼克号》中Rose裸身让Jack作画的情节,1998年在大陆上映时没有被删除,2012年上映时却被删除了。近日广电总局对此给出了解释:‘考虑到3D电影的特殊性,我们担心播放此片段时,观众会伸手去摸,打到前排观众的头,造成纠纷。出于建设精神文明社会的考虑,我们决定删除此片段。’#假新闻#”

ジャックがローズのヌードを写生する「タイタニック」のワンシーンだが、1998年の中国上映時には検閲されなかったのに2012年の上映時にカットされたことに、観客及びメディアは疑念を抱いている。先日、中国国家ラジオ映画テレビ総局はこの問題に返答。「3D映画の特殊性を考慮し、このシーンを放映すれば、観客が(ローズに)触ろうと手を伸ばし、前列観客の頭を叩いてしまい、問題になることを我々は懸念した。精神文明社会建設という面から考慮し、我々はこのシーンを削除することを決定した」 #ニセ・ニュース#

ご丁寧にもニセ・ニュースとハッシュタグをつけているのに、なぜか世界のマスコミが釣られまくってしまった。


■中国を席巻する「タイタニック 3D」

中国では「タイタニック 3D」が狂気じみた大ヒットを飛ばしているようだ。初週興収は5800万ドル(約47億円)と歴代1位を記録した(ハリウッドチャンネル)。

他にもクーポン共同購入サイトで安い映画チケットを買っていったら「タイタニックを見るなら追加料金払え」と言われただとか(新聞晩報)、間もなく公開の新作中国映画がタイタニックと衝突して沈没するのではとか、1997年版と合計で世界興収が20億ドル(約1620億円)を超えただとかの中国語ニュースがどっさり。中国エンタメニュース界をタイタニック旋風が吹き荒れている。

3Dにしたとはいえ、15年前の映画がこれほどヒットするのは不思議でしょうがない。デート需要が主力の中国だけに選択肢に入りやすいのだろうか?

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