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著作権侵害や!中国アニメ会社がソニーを告訴=スマートTVの落とし穴

2012年04月25日

ソニーが中国のアニメ制作会社から訴えられたという話をご存知だろうか?


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CIMG0285.JPG / Ben30

上海のアニメ企業、ソニーを著作権侵害で訴訟
人民網日本語版、2012年4月24日

中国アニメ「中華五千年」の著作権を授権することなく、インターネットへの接続機能を備えたソニー製テレビが当該アニメを放映したとして、著作権保持者である上海水木動画股フン有限公司(以下、水木動画と略)はソニーなど関連3社に対し、約155万元(約2千万円)の賠償金を求める訴えを起こした。23日午後、この事件の審理が北京市海淀区人民法院で始まった。北京の日刊紙・京華時報が伝えた。

訴状によると、水木動画はアニメ「中華五千年」の制作に長年携わった後、2008年9月26日に上海市文化広播影視(放送・映画・テレビ)管理局が発行する「国産テレビアニメーション放映許可証」を取得した。「中華五千年」は計52話、一話分の放映時間は25分で、合計1300分のアニメーション。同社の従業員が昨年4月20日、上海長寧蘇寧電器の店舗で、ソニー製KDL-40NX710型液晶テレビを購入した。このテレビは、インターネットに接続してウェブサイトを閲覧できる機能を備えていた。ネットに接続後、テレビのプログラムに従って別のPCでこのテレビのネットワーク登録を済ませ、テレビのインターネット視聴プログラムでオンライン動画サービスを楽しむことができるようになった。そして、この動画サービスの「子供向けアニメ」コーナーで、水木動画が授権していないアニメが視聴できたという。 

なんだかやたらとまどろっこしい説明が書いてあるが、一体全体なにが問題だったのか、分かるだろうか?私はさっぱりわからなかったり。TBSもニュースを流しているが、一体全体ソニーの何が問題だったのか、全然伝わってこない報道だったりする。

仕方がないので、中国語関連報道をがさごそ漁ったり、なけなしの脳みそを振り絞ったりといろいろ吟味した結果、たぶんこういう話っぽいぜ、という筋書きが見えてきた。

・ソニーのネット接続機能付テレビ買ったよ!

・テレビをネットに接続した後、画面に表示されているガイドどおりに華夏安業科技公司のアカウントを取得してみた!(アカウント取得は別途PCで操作)

・やったー!華夏が公開している動画が見放題だ!

・その動画は海賊版でござる。著作権侵害でソニーさん、華夏さん、あとテレビを売った蘇寧電器さんは賠償金を払うのがジャスティス@番組製作会社

とまあ、こんな感じらしい。

日本で置き換えると、「ネット接続機能付テレビを買って、説明書通りにログインしたらYoutube見れたよ!→Youtubeに我が社のコンテンツが違法掲載されている。テレビメーカー、Youtube、家電販売店は賠償金払え」っていうところか。

まあ、ソニー様もなんで華夏とかいう無名の会社と手を組んでいるのか激しく謎だが、かといって大手の優酷とかに接続できるようにしてもやはり海賊版コンテンツ満載なので、同じ罠にはまっているような気がする。

ネット接続可能、動画視聴サイト接続化のスマートテレビが中国でハイエンド機の新たなトレンドとなりつつあるが、海賊版天国ならではの落とし穴が待っているということ。賠償金2000万円程度のちゃちい裁判ではあるが、今回の判例いかんによっては、説明書やテレビ内部のガイドに動画視聴サイトへの接続方法を書けなくなるという大変な事態となりそうだ。

それにしても、同じかもっとひどい版権侵害はいくらでもあるだろうに、ソニーが訴えられたところがちょっと面白い。「中国企業ならばしらを切り通したり、偉い官僚様の後ろ盾が出てきたりと面倒そうだが、ソニーならばお金を払ってくれるんじゃね?」的な発想が透けて見えて、なんとも切ないのであった。

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