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2012年05月03日
Gobi Treasure Hunt / mikeemesser
中国で一番好き勝手できる官僚、それが村役人だ。出世はできなくとも、村の中では絶大な権力を誇り、やりたい報道。昨年末に世界的な話題となった広東省・烏坎村の事件も発端は「村役人が勝手に共有地を売りはらったから」、だ。こうした不正は枚挙に暇がない。昨秋、人民日報は「基層官僚は信頼の基石」との社説を掲載。共産党が人民の信頼を勝ち取るためには、直接民草と向き合う村役人がしっかりしなければと苦言を呈したが、まあ、社説ごときで改まるはずもなく。
さて、勝手に共有地を売り飛ばすとか、村民をいじめまくるとか、女性に手を出すとかはよく聞く話だが、今回報じられた話はちょっと違う。なんと勝手に明朝の墳墓を掘って宝探しに明け暮れていた。
蘭州市七里河区西津坪村には明朝第九代粛王の墳墓がある。周辺には明朝の墳墓が複数あり、蘭州明十三陵と呼ばれていたそうだ。かつては陵の上には木々が生い茂り、山門や堂 も残っていたと言うが、この30年の間に「人為的に」失われてしまった。また70年代には村民たちが勝手に発掘し、高さ1メートルもある大きなカメ2点が出土したという。
村役人の宝探しが始まったのは1990年代のこと。当時村党支部書記だった鄭が、他の村民と交換して墳墓南側の耕地を取得。その後、「文化財保護」の名目で陵を壁で囲ってしまった。それからはスコップを持って宝探しに明け暮れる日々。お宝が出土したかは定かではないが、陵のあちこちにはぼこぼこと穴が残っている。
今では墳墓でにわとりを飼ったり、ウサギを飼ったりとやりたい放題。さらには大きな家を建てて、「民宿ビジネスを始める!」と張り切っているのだとか。これにはさすがに頭にきた村民たち、メディアにネタを流し、この面白すぎる事件が公となった。
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