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がり痩せからデブへ=中国人オタクを悩ませるオタク体形進化論(百元)

2012年05月15日

■中国オタク的疑問「なぜ日本のキモオタのイメージはデブばかりなのか」■

*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年5月8日付記事を、許可を得て転載したものです。


最近は日本における「オタクに対するネガティブなイメージ」が中国オタクの間でもそれなりに知られるようになって来ています。そんな中で、いわゆる「キモオタ」というイメージに関しても伝わっているようなのですが、そのキモオタのイメージの多くが「デブ」だということを不思議に思う中国オタクもいるようです。

先日、中国のソッチ系の掲示板でその辺に関するやり取りを見かけましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの疑問

アニメや漫画見ていて感じるんだが「キモオタ」的な扱いのキャラってなんでデブばかりなんだ?ウチの国のオタクを見た感じでは、悪い意味で痩せている人間もかなりいると思うんだけど。

そういやキモオタって「デブでメガネで怪しい行動」って印象が強いよね。行動に関してはまぁ良いけど、体型に関しては確かに疑問だな。ウチの国を見た感じでは太っているのもいるけど、痩せた人間の方が多いように思う。どちらも不健康っぽいのは変わらんのだが。

キャラ設定としてデブの方が効果的だからだろう。デブは何かと悲惨だし、見た目のインパクトもあるからキャラの差別に使い易い。

ウチの国のオタクも小太りなヤツがわりといるけど、痩せててキモイのとかもかなりいるように感じるわ。

ああいった描写は作者や視聴者の認識が投影されるものだと思うんだが、そうなると日本のオタクってデブの割合が高いんだろうか?

実際、日本のテレビでキモオタ的な扱いで出て来る人間ってデブが多いと思う。それについては日本のオタクの場合中年に入った人間が少なくないのも影響しているんじゃないかな。まだ若いのが多いウチの国のオタクと違って、日本はオタクの歴史が長いから中年太りしてしまったオタクが目立つのでは。

そういや、俺も院に入ってから腹が出てきたわ……昔は深夜にアニメ見ながら食べまくっても太らなかったんだが、最近は……

でもメガネをかけたオタクの多さに関しては認めざるを得ない。ウチの国のオタクというか、学生はメガネ率高いからなぁ。

太っている方がカッコ悪いという所が理由なのでは。キモオタにはオタクの負の要素を多くつけているだろうし。

でも、それなら痩せているのも負の要素になるんじゃないか?ガリガリ状態ってのはまた気持ち悪いと思うが。

日本のアニメってデブが悪役と言うのが多いし、そういった悪いイメージを投影しているんじゃない?「ドラえもん」のジャイアンとかもデブだし。

ジャイアンは中国語名が「胖虎」(太っちょ虎)になっているけど、原作では「巨人」という意味の「ジャイアン」になっているから、デブってわけではないぞ。あれは身体がデカイという方向だろう。

自分も改めて考えてみたが、痩せていることに比べて、太っていることの方がネガティブなイメージが強いからじゃないか?デブが努力して強くなったり成功するのに不快感を示す人間は少なくないと思う。この間始まった「アクセル・ワールド」でもデブな主人公への主人公補正に対して反発っつーか、アンチになってるヤツが少なくないし。

アクセル・ワールドに限って言えば、近年の作品では主人公補正少ない方だぞ。毎回大ピンチだし。同じ作者の「ソードアート・オンライン」は逆に主人公補正だらけだが。てか「アクセル・ワールド」のデブ主人公への反感は、「現実では惰弱な負け組の人間が虚像の世界では活躍できてそれに加えてなぜか現実でも良い目を見れる」というのを見せつけられて自分の現実を痛感しているってのもデカイんじゃない?

やはりデブの方がネガティブなイメージを付与できるからだろう。デブってのは極端な悪意は前面にでないものの、非常に使い勝手の良い適度な「負のイメージ」って感じがする。てかそもそも、デブでカッコイイキャラっているの?なんか主人公ではない、サブキャラや悪役まで含めても「デブできちんとカッコイイキャラ」って思いつかないんだが。

カッコいいデブキャラか……俺が思いつくのは「HELLSING」の少佐とか、「紅の豚」のポルコくらいか?
ポルコはそもそも「豚」というキャラなのでデブとは違うような。デブでオタクで活躍するのは、「HIGHSCHOOL OF THE DEAD」の平野コータがいるな。それと日本の伝統作品だと武蔵坊弁慶なんかはデブじゃないか?俺はああいう重装備でゴツイキャラかなり好きなんだが。


武蔵坊弁慶のような重武装なキャラはデブじゃなくて、筋肉質で重厚な体型だと思うぞ。

特殊なスキルもちのキャラだとデブでも活躍しているんじゃないか?最近だと「STEINS;GATE」のダルとか。ただ、そういうのって主人公をサポートするような役回りがほとんどだね。主人公補正持ちのデブキャラってのは思いつかん。

やっぱデブが主人公になってハーレム形成したりするのは難しいのかなぁ。実際、自分も「アクセル・ワールド」のデブな主人公を見ていると微妙に感情移入し難い時があるし。キモオタっていうイメージには、デブの方がしっくりくるから痩せた方はいつの間にか淘汰されたのかね。

逆に考えてみれば、こういったキャラが受け入れられているってことは、日本のオタクにとってデブな主人公も感情移入できるということだろうし、日本のオタクは実際太っている人間の方が多いんじゃないだろうか。

昔の作品を見た感じでは以前の日本のオタクのイメージでは「痩せたタイプ」のキモオタも結構いる。キモオタのイメージがデブに限定されるようになったのは最近じゃないか?

実際、昔に比べてデブなオタクは確実に増えているだろ。今はネットがあるから引きこもりでオタクをやれる。情報量と摂取カロリーが増えて、運動量が減るんだから、そりゃデブ増えるよ。

なるほど。そう言えば、ウチの国でもデブなオタクの割合が増えつつある……デブまでいかなくても、小太り的な人間はわりといる!

もしや、デブとはオタクの進化の果ての一形態なのだろうか……

とまぁ、こんな感じで。


■若きがりがりオタクから中年太りオタクへレベルアップ?!

なんか意識せずにかなりヒドイこと言っているっぽい発言もありますが、とりあえず中国オタクの面々にとっては改めて考えてみるとちょっと不思議に思えたりもするようですね。

考えてみれば私の知り合いの中国オタクも太目な人間よりも、痩せ気味な人間の方が多いような気がします。ただ、中にはそろそろ太り出しているのもいるようなので、案外上の発言にある「中年太り」というのも無視できないような気が……

それにしてもいつごろから「オタク」の体型に関するネガティブなイメージが太目優勢になったんでしょうかね。昔は太いのに加えて細いのもわりとあったような気がするのですが。「こみっくパーティ」なんかではオタク縦とオタク横とかがいたように思いますし。

ちなみに、上の発言にもありますが「アクセル・ワールド」は今期の新作の中では上位に入る人気ではあるものの、アンチ的な層もちょっとしたものになっているようで、主人公に関しても気に入らないという声が結構あるようです。
この辺については、なまじネットゲームが中国オタクにとって馴染み深い題材であることから、人によっては「現実の経験や認識と重ね合わせてしまって作品に感情移入し難い所がある」なんて話を聞いたこともあります。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年5月8日付記事を、許可を得て転載したものです。   

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