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大型同人イベント連発の大都市と何にもない田舎=中国オタク的地方格差(百元)

2012年05月18日

■中国オタク的「イベント地方格差」■

*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年5月10日付記事を、許可を得て転載したものです。


■オタク人口格差

中国でオタクをやる場合、上海や北京、広州などの中国オタクの人口が多い都市とそれ以外ではかなり環境に差があります。

中国オタクの人口もそうですが、オタク関係の商品を扱う店の数も段違いですし、オタク関係のイベントについても「中国オタクの主要都市」以外では厳しいものがあるそうです。日本でもオタク関係では地方と都市部の差があるかと思いますが、中国は日本よりも地域ごとの差が激しいという話を聞いたこともあります。

また最近では中国でも同人創作物をメインにしたオタク関係のイベントが増えてきていますが、そういったイベントが開催されるのはやはり上海や北京、広州などの中国オタクの人口が多い都市となってしまうのだとか。

先日中国のソッチ系の掲示板でそんな「イベントの地域格差」についてのやり取りを見かけましたので、今回はそれを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの愚痴

最近、友達と喋っていていつの間にか愚痴になってしまったんだが、俺の住んでいる所はオタク系のイベントが無い。最近はウチの国でもオタク関係のイベントがどんどん増えているのは知っているし、イベントのニュースやレポートがBBSにアップされたりもしている。しかし、ウチの方に入ってくるのは「情報だけ」なんだ……なんかもう、やりきれないものを感じてしまう……

その気持ち、よく分かる。北京や上海の連中なんかは「今月のイベントは特に良いのが無いから、直接次の大規模なのを待つことにする」とか気軽に言ってるのを見ると嫉妬してしまう。ウチの国は都市ごとの二次元活動の環境の違いがマジで大きすぎるよなぁ。

北京とか上海だと、同じ日に2つイベントが重なったりするという悩みもあったりするらしいな。羨ましすぎるわ!

成都の方は少しずつイベントが増えていって、最近は随分と良い感じになっている。正直かなり楽しい。ありがたい。

成都はオタクの人口多いから発展の余地は十分にあったよな。俺の住んでいる福州なんかは、どうにも希望が持てん。遠征もそう頻繁にはできないし。

ウチの地方もダメだ。「動漫城」なんてときめく名前を付けているくせに、中身はゲームセンターもどき。二次元の世界は全く存在しない……

ああ、アニメやら漫画を看板にしてるのに中身はゲームセンターっての多いみたいだね。ヒドイ所になると、賭博の方になって最後は取締りが入るという流れになっちゃうし。

上海、広州、北京、杭州といった都市は二次元の空気も濃厚に漂っていて、オタク系のイベント多いよね。それと、武漢や南京も悪くないという印象。

杭州はアニメや漫画関係のニュースが多いけど、基本的には子供向けのイベントとかお偉いさんが喜ぶイベントが多くてオタク関係はあんまり無いという印象があるんだが。オタクの活動はそれなりにやれるんだけどね。

最近だと成都が安定しているような印象。南京とかの上海に近い都市は上海のイベントも参加できるから、個人的には上海地域という感じで認識している。

天津はなんか微妙な位置だ。北京が近いから、そっちと一緒にされているような所もあるし。

俺のいる西安は最近はぼちぼちとイベントが出てきて嬉しいよ。西安は学校もわりとあるし、このままオタク関係のイベントも発展していってくれるといいんだが。

オタク関係って、人口と経済「だけ」では広まらないからね。地方だとアニメ、漫画関係のイベントには政府の文化部門の関わりが大きくなるし、同人イベントでも会場の確保とかで政府関係の方を気にしないときけない。それにイベントの主催にまわれるオタクがいるかということもあるし。

ウチの地方はフィギュアを取り扱っている店すらない。たまにオタク関係も扱う何でも屋的な所に出物が見つかることもあるが、そういうのも競合店が無いから高い。ネットの倍以上の値段とはいえ、実物をその場で見てすぐに買えるというのは大きいから私も含めて結構買ってしまう人間はいるらしい……

メーデーの連休とかになると地方ごとのオタク格差がハッキリしてしまう……オタクの空気の存在する大都市ではイベントがあるのに……

武漢はわりと良いって言われるけど、イベントに関してはともかく関連商品に関しては微妙だぞ。オタクの空気が濃いってのは学生が多いってのがあるのかも。

きちんとした同人イベントって、ウチの国ではまだ少ないよね。同人誌を出すところと、アニメ関連グッズを売りに来ている行商みたいなのがごっちゃになっていたりする所も多い。それから、同人よりもコスプレ劇をやったりコスプレを晒す方がメインになっているってのも多い。

同人じゃなくてコスプレイベントになってるケースは結構あるよね。ウチの国のイベントってコスプレが中心になって発展していったし、作家よりコスプレイヤーの方が優勢な所もあるから同人はまだ難しい。

イベントのクオリティに関してはやはり上海が一番かな。北京もイベントの数はそれなりに多いけど、良いイベントとダメなイベントの差が上海よりでかい。あと、広州は香港も近いし、イロイロと便利だという印象。

以前厦門のイベントに行ったんだが、その時は結構良かったね。

成都もイベント増えてきてはいるんだけど、まだ需要と供給が一致していないというか。この間のイベントも、人並び過ぎ。

イベントが開催されると聞いて楽しみに言ってみたら、オタクの求めるイベントじゃなくて、政府のお偉いさんの喜ぶ「アニメと漫画の展覧会」だった時のガッカリ感ときたら……自分は爆竹と獅子舞の開幕式を見に来たんじゃない!

私も河北だけど、こっちの方はほんとオタク関係の空気無いよ……もう遠征するしかないと割り切っている。

ただ、イベントが集中しすぎるのも難しいような。こっちの軍資金にも限りがある。最近だと日本の声優を呼んでのイベントが短期に集中しすぎてちょっと心配。好きな声優が来ても、こっちの金銭能力的に厳しいなんてのがある。人が集まらず、イベント開催の流れが切れてしまわないかと不安になるね。

こういうのは、人口と経済に加えて都市の開放の度合いも影響すると思う。あと、政府がバックにあるイベントだと面白くないのが多いので、面白いのはやはり同人イベントだと思う。でも、同人メインだと上海北京広州辺りでないと大規模なのは難しいからな……

とまぁ、こんな感じで。


■10年間で急成長を遂げた中国オタクイベント

最近はネットで情報だけはバンバン入って来るので、地方在住だと余計に苦しい思いをしてしまったりするようですね。

ちなみに上の発言にもありますが、中国でオタク人口が多く、オタク方面のイベントが活発なのは上海、北京、広州ですが、最近はそれに次いで成都が上がって来ているそうです。成都はオタク人口が主要三都市に次いで多いそうで、イベントについても段々と増えているのだとか。

ただ、上海や北京にしても10年程前はまだ同人イベントどころか同人誌そのものが珍しい状態だったんですよね。そういったことを考えると、現在では地方の中国オタクが大都市のオタク系のイベントに憧れて「地方でのイベントが少ないと嘆く」ような所まで来ているというのはスゴイもんですね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年5月10日付記事を、許可を得て転載したものです。 

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