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2012年05月21日
■新浪微博の自治組織設立?!
中国マイクロブログ大手・新浪微博が同コミュニティ内の秩序やユーザー権益などを管理するための『コミュニティ公約』及び『コミュニティ管理規程(ガイドライン)』を公開しました。
公約の方では、ユーザーの権利や行動規範などが書かれており、管理規程の方では同公約をどのように管理していくかが規定されています。今回のこの公約及びその管理での大きな特徴は委員会制度が設けられることです。
委員会には普通委員会と専門家委員会の2種類が設けられる予定なのですが、どちらかが上位機関というわけではなく、ユーザー間での誹謗中傷や個人情報を公開してしまったりなど揉め事は普通委員会、虚偽の情報や事実の捏造・誇張などは専門家委員会で取り扱うという分け方になるようです。
普通委員会は5000名から10000名の認証ユーザーを含む本人確認が取れているユーザーから選出され、各事案毎に毎回21名が更に選出され、多数決の議決を行うようになるそうです。そして専門家委員会は1000名から1500名の専門家、科学者、著名媒体の記者もしくは機関、ネット関連の著名人などから選出され各事案毎に毎回9名が選出され、多数決の議決を行うようです。
双方の委員会は発生する全ての事案に対して、協議を行うわけではなく基本的には新浪微博側で判断を行うのですが、そこで判断に迷うものなどがあった際に事案毎にそれぞれの委員会に判断を委ねる、という流れになるようです。
双方の委員会の任期はそれぞれ1年なのですが、事案が上がっても回答をしないということが続いたり(普通委員会は連続5回、専門家委員会は連続3回)すると任を解かれてしまうのと、専門家委員会の場合は10回以上裁定内容と異なる意見を提出した場合には同様に任を解かれてしまうようです。
■ユーザー信用度制度
もう1つこれに付随して全ユーザーにユーザー信用度(点数制)も設けられるようです。
標準点数は80点で身分証の照合が完了すれば10点、携帯電話番号の登録を行えば10点がそれぞれ加算されますが、先の公約で定められているユーザー規範に背いた行為を行うと重大さに応じ、減点されてしまうそうです。
その上で高信用、正常信用、中信用、低信用などにランク分けされ、それぞれ該当するアイコンが各ユーザーのトップページに表示されるようになるそうです。
今回の公約・管理規程・委員会制度ともに5月28日から施行される予定ですが、内容そのものは一般的なものであり、普通の微博ユーザーが普通に微博を楽しむのにはほとんど影響のないものと思いますが、この動きには大きく3つの意義があると思います。
1. 公約などを公表することで微博の健全化を図っていくのだという対外的なアピール。
2. 運営側(新浪微博)で全て独断的に行うのではなく、第3者による判断(委員会制度)も尊重する、 という意思表示。
3. ユーザーの信用度は身分証の照合や携帯電話番号の登録を行われなければ、90点以上の高信用ユーザーにはなれないので、 自然と微博実名制度が遂行されるようになる。