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「なぜ日本の学生たちは焼きそばパンを愛するのか?」中国人オタクの考察(百元)

2012年06月03日

■中国オタク的疑問「焼きそばパンって本当に美味いの?美味しそうには思えないんだが」■

*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年5月25日付記事を、許可を得て転載したものです。


Trip to Seatle and Vancouver
Trip to Seatle and Vancouver / Akihito Fujii

思い出したころにやってみる食べ物ネタ、今回は「焼きそばパン」などについて一つやらせていただきます。
日本のアニメや漫画に出て来る学校では、昼時のパン争奪戦というのがある種お約束になっているかと思いますが、中国の感覚ではやはり不思議な状況に思えたりするようです。

また、そういった学校のパンの中でも「焼きそばパンは人気が高く貴重であることが多い」ということについても、疑問を感じるようです。先日中国のソッチ系の掲示板でこの辺についてのやり取りを見かけましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの議論

日本の学園モノのお約束として、購買でのパン購入戦争があるが、その時によく「貴重な存在」となるのが「焼きそばパン」だろう。しかし、焼きそばパンって本当に美味いの?美味しそうには思えないんだが。

日本の昼食のパンの奪い合いで焼きそばパンは価値が高いとされることが多いよね。しかし、味については本当に疑問だ。自分で作ってみたのはうまくなかったんだけど。

ただ、日本のパンってウチの国より美味しいのは確かだよ。私も日本にいたとき、近所のコンビニやスーパーで1個100円前後のパンを食っていた。あのレベルのパンがウチの国ではなかなか無い。
アニメや漫画の学校で売られているパンって、いまいち想像し難いのが多いんだよね。実際どのくらいの種類が扱われているのか。


焼きそばをパンにはさむのって、どうも受け入れられないんだよなぁ。別々に食えばいいのに、なんでパンにはさむんだろ?

誤解しているヤツもいるみたいだが、日本の焼きそばはウチの国の焼きそばとかなり味が違うぞ。日本の調味料の「ソース」を中心に味付けしたものだから、甘くて塩気のある系統の味になる。それと、日本の焼きそばは使う油の量がウチの国に比べて非常に少ない。だからパンにもちゃんとはさめるんだろ。

てかあんなに混むのが分かっているのに、なんで事前にパンとか買っておかないのかね?それか、外に出て買えばいいのに。

あれはしょうがないんじゃないの。ウチの国でも学校付近の売店が混んでかなり並んだ経験とかはあるでしょ。

俺の学校の近くは売店も屋台もかなり多かったからあんまり並んだ記憶は無いな。日本だって田舎ならともかく、ある程度の都市部なら学校の付近にコンビニとか普通にありそうなもんだが。

昼飯にパンを食うってのがウチの国ではどうもピンと来ないよね。私の中高の頃って、昼は学校で一括注文する温かい弁当か、外に出て食べていた。昼にパンだけって人は記憶にない。

なんで日本の学校が舞台の作品はパン売り場での争いが起こるのかね。それとなんで学生は「冷えた弁当」と「パン」の二つしか選択が無いんだろう?日本の学校って本当にこうなのか?さすがにネタか誇張が混じっていると思うんだが……

日本の学校が舞台の作品の中には、食堂でセットメニューやラーメン食ってるシーンもあるぞ。あと、パンは食堂に並ぶのがめんどくさい時の選択肢って作品もあったな。この辺は学校ごとの設備の差なんじゃないかね。

日本の学校の昼飯についての疑問と言えば、なんでカップめん食ってる学生がいないの?お湯くんで来ればすぐに食えるのに。日本はカップめんの種類も豊富だというのに、学生が昼に食う習慣は無いのか?それとも、実際は食ってる人間がいるけど描写していないだけなのか?

それは日本に行ったことのある俺が答えよう。日本の学校は基本的に学生にお湯をくれない。日本は水道水が直接飲める国だから、お湯を沸かして提供する必要が無いからその設備も無い。自分も当初は非常に困惑したよ。あと、コンビニとかではカップめん用のお湯を準備しているから、昼飯にカップめん食ってる人は普通にいるよ。

そういや、あのパン売り場のシステムもよく分からないよな。どうせ混むのが分かっているし、奪い合いになるんだから、多めに仕入れるとかの対策を取ればいいのにと思ってしまう。

そりゃ学校も公共機関の一つだし、そう簡単に変えられないんだろ。ただ、仕入れの調整ぐらいはやってもいいとは思うな。

お前ら、仕入れのアイテムは「パン」だぞ。消費期限が難しいアイテムだ。最近はウチでも消費者が厳しくなってきているが、日本人の消費期限への厳格さはトンデモナイレベルだ。余ったら捨てなきゃいけないから、多めに仕入れるってのは難しいんじゃないかね。

パンの賞味期限ってもともと2,3日だし、焼きそばパンみたいに炒めた麺が入ってるとなると1日も持たないだろ。たぶん数時間くらいになってしまうんじゃないか?

なぁ、根本的な疑問なんだが中学高校くらいの時ってパンなんかで腹いっぱいになるのか?自分の感覚だと、どうも信じられない。あと、学校で売っているパンって外では買えない限定品なの?学校で売っているなら、外に買いに行けば普通にありそうなもんだと思うんだけど。

昼飯にパンか……やはり冷たいのはキツイと思うんだよなぁ。冷えた弁当よりはマシだろうけど……しかし、パンで問題ないならいよいよ「なぜ事前に買っておかないのか?」という疑問が深くなってきた。なんか日本社会の概念でもあるのかね。

冷えた弁当に関してはよく話題になるよな。だいたいは「冷めても食べれるように作ってある」「日本人の習慣」「日本人は冷えたものを好む」という結論になるが。しかし、ウチの国の伝統的概念だと冷めたものは身体に悪いとされているし、そういう飯は牢屋の囚人くらいしか食わないといった印象になるんだよね。

日本で冷えたものを食うようになった原因は、古代の日本は燃料が慢性的に不足し、暖房や調理に使う燃料の確保が難しかったからだよ。だから、加熱調理分野の複雑な料理技術が発展しなかった。実際の所、日本食は料理としてのレベルはかなり低い所から広がったものだし、今もその方面がかなり深く残っている。

ウチの国が昔貧しかった時でさえ、加熱はしていたのにね。ウチらの親の世代だって、マントウや米なんかの主食と漬け物を持って行って昼にまとめて温めてもらっていたというのに日本はそれすらできないってのは不思議。

日本の「弁当」とウチの国の弁当的な「盒飯」は別物だと考えた方がいいぞ。「盒飯」は単に米の飯を詰めておかずをかけたものだけど、日本の弁当は冷めた状態を想定しているし、冷めても味の変わらないように作っている。(冷めるより作りたての温かい方がうまいのは変わらないと思うが)日本の弁当に入るような揚げ物は衣がちょっと違うし、油はわざわざ紙で吸い取っているなど特殊な調理になっている。

この流れなら俺も聞ける。ネットでよく見かける日本の学校の昼飯ってどこもタダで提供しているの?あとああいった日本の学校で提供されている昼食と、購買で買うパンはどう違うんだ?
ネットで話題になったりするあれは「給食」というシステムで、基本的には公立の小学校だけで中学や高校からは無くなるらしい。それとあれはタダじゃなくて、安い金額だけど事前に費用を徴収しているそうだ。


ウチの国の「栄養餐」も金取ってるでしょ。政府から一定の補助金が出たとしても、さすがに全額ってことはないんじゃないかな。

話を戻してスマンが、結局の所「焼きそばパン」ってどこが美味しいんだ?中国でこういうのが流行っていないってことは、やはりうまくないってことなのでは……

そもそも、焼きそばパンってウチの国の国内で売られたことあったのかね?

あるぞ。何年か前に上海のローソンで焼きそばパンが売られていた。買って食ったけど、普通にウマかった。ただ、ある日突然仕入れが無くなってしまったな。

「焼きそばパン」に対して、味がどうこう以前に一つ疑問がある。焼きそばが具って、主食に相当するものをおかずにしているわけだよな。つまり、あれって炒飯をおかずにして白い飯を食うようなもんじゃないのか!?

だよなぁ。なんであの国は主食と主食を合体させるのか。餃子定食とか、何考えてんだよ。

主食と主食で食べるなんてありえない……そう思っていた時が俺にもあった。しかし、ラーメンが好物な俺は、日本でラーメンと餃子のセットにハマってしまい、いつの間にか主食と主食方式でもいけるようになってしまった。今度日本に行ったらラーメンライスにも挑戦するつもりだ。

とまぁ、こんな感じで。


■焼きそばと炒面

焼きそばパンへの疑問から始まって、日本の学校の昼時のパンについて等、疑問は尽きないようでした。

それにしても、私もうっかり今まで意識したことはなかったのですが、中国と日本では「焼きそば」(炒面)と言ってもかなり違いますし、焼きそばパンのイメージを伝えるのはちょっとヤヤコシイことになりますね。「焼きそばパン」は中国語だと直訳で「炒面面包」などと訳されることが多いようなのですが、これは注釈でもつけない限り誤解されてしまいそうです。

それから、上の方で出ている「外に出て買えばいいのに」という話ですが、中国では昼食というか昼休みに関してはわりと自由な所がありまして、学校では基本的に昼休みの時は学校の中にいる必要はありません。
そのため、昼食は外の店に行って食べたり、買い食いしたりする人間が多いですし家が近くにある場合は一旦家に帰って家で食事をとるなんてこともあります。

そもそも、中国では学校で提供される食事はマズイことが多く、学生は学校側の提供する食事は食べたがらないのですよね……

私自身の経験でも、大学に入るまで「学校が提供する食事」で美味しいものに当たったことがありませんでした。そんな訳で大学で初めてマトモなモノに当たった時は正直かなり驚きましたね。(あとで聞いた話では、私のいた大学は当時北京で学食のレベルがトップクラスな所だったそうで。今は昔よりも中国の食糧、料理事情は良くなっているはずなので、昔よりは全般的にレベルが上がっていると信じたいのですが……)

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年5月25日付記事を、許可を得て転載したものです。 

 コメント一覧 (2)

    • 1. 通りすがり
    • 2012年06月04日 15:34
    • なるほど。
      そういう期待に応えての上海ファミマの焼きそばパン登場か。
      でも買って食べたら中身はスパゲティだったけど。
      余計誤解がひろまるんじゃまいか…。
    • 2. Chinanews
    • 2012年06月09日 21:09
    • >通りすがりさん
      上海ファミマってかなり日本チックなメニューが並んでますよね。あれ、売れるのかが気になるところ。都市化された上海人には受け入れられるのでしょうか。ちなみに自分の高校の購買部にはスパゲッティパンがあったような記憶……。

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