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「少しでも早くこんな生活を終わらせたい」チベット人焼身抗議に遭遇した中国人兵士のつぶやき

2012年06月04日

*ブログ「Lung-ta Project Japan」の2012年6月3日付記事を、許可を得て転載したものです。



"Tibet of crackdown" / SFTHQ

■人民解放軍男子のつぶやき

以前からたまにのぞいている、人民解放軍ラサ駐屯地勤務の男の子(18~19歳と思われる)のweiboアカウント。

立場的には“チベット人を弾圧する中国軍警”なんだけど、休日にポタラ宮を眺めに行って物乞いの女の子にねだられてファストフードショップでご飯を食べさせてやったり、郊外の道がゴミだらけなのに憤ったり、基本的に「悪人ではない」(自分たちがチベットを助けてるんだと信じてる)。

weiboの大半は、成都に残した彼女に「元気」「会いたいよ」「僕を見て」とラブコールを送る内容で、駐屯地内の写真をたびたびアップしちゃったりする脇のユルさも、筋肉がついてきてるのが自慢でしょっちゅう自分の上半身の半裸写真をアップする頭のユルさも、迷彩服の中のヒト1人1人はこんなんなんだろうな、と実にリアルに感じさせられる。

そんなカレシ、先日ついに遠距離恋愛の恋人からふられてしまったらしく、「失恋した」(4月29日)→「明日からは気持ちを切り替えよう」(5月1日)→「突然寂しさに襲われて死にたくなるほどだ!」(5月10日)→「身も心もボロボロだ」(5月20日)と、weibo発言がめっきり減ったうえにすさんだ捨て台詞みたいな発言ばかりに。(その間、抗日映画を見て「見るたびに恨みが蘇る」と闘志を奮い立たせたりもしてるけどww)


■焼身事件との遭遇

そこに起こった「有事」――5月27日の若者の焼身。

当日、「うざい(ちくしょう/面倒なことになった)!」(5月27日16時)という一言が携帯から書き込まれていたのは確認して、やっぱりよっぽどのことがあったんだ、と判断する一助にしていたけれど、きょう改めてのぞいたら、少し書き込みが増えていた。

「今…、今僕が言えることはただ、今の気持ちは……、君が行けば僕たちのパラダイスは確実に少なくなる、ということだけ」(5月28日01時)

「行く」(走)は、「去る」のほか「やる」「する」「死ぬ」的な意味をさすこともあり、誰がなにをすることを指すのか意味深ではあります。

「高校の時最初からもっと勉強しておけばよかったと後悔(涙マーク)」(5月29日01時)

コメントで「高校3年で(進学を)あきらめなければよかったと後悔」→本人「最初からやり直したいと後悔」

「終わった…。タバコ2本ですっかりのどをやられた」(5月29日03時)

「两只烟」(2本の煙)は普通に読めば「タバコ2本」なんですが、「嗓子」が喉のほか「声」「声を出すこと」をさすことも考えると、「2本の煙で発声がまったくダメにされた」(→2人の焼身で、発言できないことばかりになった)という意味にも取れる書き込みです。ちょっとゾッとします。(普通にタバコの話をしたのかもしれませんけどね…)

「小さい頃の僕の夢は人民解放軍兵士になることだった!」(6月1日13時)

「実現してるじゃん!」というコメントに、本人は「今の自分の夢は、少しでも早くこんな生活を終わらせたいということさ」と返していました。

5月27日から28日深夜までに人民解放軍の彼がなにを行い、なにを目にしたのか、想像することしかできませんが…。

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*ブログ「Lung-ta Project Japan」の2012年6月3日付記事を、許可を得て転載したものです。 

(執筆者:Lung-ta Project Japan)
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