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2003年、遼寧省瀋陽市に「緑島体育センター」が落成した。収納可能な追加シートも含め3万3000人が可能。人工芝だけで100万ドル以上、総投資額では8億元(約104億円)というゴージャスな室内サッカー場だったという。瀋陽市の新たなランドマークになると期待されていたが、見事なまでにおおごけしたという。
原因は立地。瀋陽五輪体育センター、鉄西体育場などのライバル施設と比べて郊外にあるため、イベント招致で敗北を繰り返し使用率をあげることができなかったという。結局、爆破前には「アジアナンバーワンのゴージャス室内サッカー場」は倉庫として使われているトホホな状況となった。
というわけで、このたび激しく爆破解体し、跡地に商業施設を作ることとなった。もっともショッピングモールなどの商業施設も最近は雨後のタケノコのように乱造されているため、成功するかどうかは激しく疑問だが。
広東省トップの汪洋はかつて「手抜き工事の橋を作って、取り壊して、また橋を作れば、普通に橋を作るのの3倍のGDPになるが、本当の財産になったのは橋1本だけ」と中国のGDP至上主義に苦言を呈したことがあるが、まさにそのとおりの作って、壊して、また作っての浪費炸裂的GDP3倍手法に批判が集まっているという。
当時の責任者を追求するべきとの声も上がっているというが、当時の瀋陽市市長は現在の遼寧省省長・陳政高とのこと。そして遼寧省省長は更迭問題で全世界の注目を集めた薄熙来。ポストが赤いのも薄熙来が原因に責任を押しつけられてしまうのだろうか。
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