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化学工場の事故?製鉄所の爆発?中国南部を覆う謎の黄色い霧の意外な正体

2012年06月12日

「化学工場から塩素が漏れた?!」「武漢鋼鉄のボイラーが爆発したらしい。」霧に包まれた湖北省武漢市では様々な噂が飛び交っていたが、当局は「農民が小麦ワラを焼いているため」と発表している。


20120612_写真_中国_霧_1

6月10日、南京市など江蘇省各地の空を黄色い霧が覆った。11日には武漢市など湖北省各地も霧に覆われた。武漢中心気象台は大霧イエロー警報を発令。子どもや老人はなるべく外出をひかえるよう警告した。

この黄色の霧の正体はなにか。ネット民の間で話題になり、「(化学工場から)塩素が漏れた」「武漢鋼鉄のボイラーが爆発した」と書き込んだネット民2人が行政拘留処分を受けた。また別に2人がデマを流したとして教育訓戒処分を受けている(BBC)。 

12日には長江下流の九江市や合肥市なども霧に包まれた。事故じゃないとすれば、この謎の黄色い霧の正体はなんだろうか?

RFAによると、中国南部を覆う黄色い霧の正体は小麦ワラを燃やした煙だという。小麦を収穫した後、残ったワラは燃やしてしまうのが一般的だという。各地の農民が一斉に燃やしだしたためにこれほどの霧になったということだろうか。

20120612_写真_中国_霧_2

事故ではなかったとはいえ、その猛威は凄まじい。一部地域では視界が20メートル以下に制限されるほどの霧に覆われた。9日夜には安徽省の高速道路で車9台の玉突き衝突事故が起き、19人が死亡する惨事となった。毎年、小麦ワラを燃やす時期になると、濃い霧が発生し、飛行機や鉄道、高速道路に悪影響を及ぼす。さらに火災の原因になることもある。河南省だけでも、小麦ワラ焼却による経済損失は年10億元(約130億円)に達するという。

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