最近、中国各地でビール瓶が爆発する事件が起きている。なぜ中国のビール瓶は爆発するのだろうか?

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■中国のビール瓶が爆発するわけ
外食する時、開けてもらった後で持ってきてもらうか、それともテーブルの上でビールの栓を開けてもらうか?アンハイザー・ブッシュ社アジア太平洋地域品質総監の劉素玲さんによるとこれは一つの問題だという。彼女の選択は前者。なぜならば中国のビール瓶は爆発しやすいからだ。2012年5月、河南省、重慶市、江西省などでビール瓶の爆発事件が起き、話題となっている。
というなんともステキな書き出しで始まるのが、ビール瓶爆発をとりあげた
南方週末の記事だ。
年600億本も出荷されることを考えれば爆発する可能性はごくごく小さいともいえるが、一方で驚くべき数字もある。国家包装製品品質監督検査検疫センターが実施したサンプル調査によると、ビール瓶の20%が不合格だったという。1998年の調査開始以来、不合格率は高止まりしたままだ。
この検査は新品を対象としたもの。回収されて再出荷された旧瓶のリスクはより大きい。実験によると、ビール瓶の表面に微細な傷がついただけで衝撃や圧力に耐える力は60%も減少する。大きな傷ならば90%も減少するという。
まさに旧瓶こそビール瓶爆発の最大の要因だが、ビール業界とガラス業界のいがみあいが原因で対策が進んでいない。
■業界間のいがみあいで決まらない国家基準
ビール瓶の品質基準を定めた国家規格「GB4544-1996」は1996年に制定された。制定当時の課題はやはり「ビール瓶の爆発対策」だったという。ビール瓶の爆発は何も最近急に起きた問題ではなく、以前からずっと存在していた。1996年当時も消費者の苦情から基準に対策を盛り込むことが決まったという。
しかし業界間のいがみあいでもめた末、盛り込まれたのは付録にある「ビール瓶の回収使用期限を2年にすることを提案します」との一文だけ。ビール業界では「あくまでも提案であり、強制ではない」との認識で一致している。2年はおろか、10年以上も使われているビール瓶まであるという。
以来16年間、この国家基準は改定されていない。通常は公布から5年程度で再審査されるというのに、だ。実はこの背景にあるのが上述のビール業界とガラス業界のいがみあいだという。
ビール業界としては何度も繰り返しリサイクルできたほうがコストを抑えることができる。一方、ガラス業界としては新しい瓶を買ってくれたほうが儲かる。かくして両業界の間でビール瓶の頑丈さをめぐる綱引きが行われているという。
焦点となっているのはビール瓶の重量・容量比。一般的にビール瓶が重ければ重いほど頑丈になり、リサイクルできる回数も増える。現在、流通しているビール瓶の重量・容量比は0.6~0.7。両業界の話し合いでは当初0.85とするプランが提示されたが、ガラス業界の抵抗の前に0.8、そして0.725と次第に引き下げられているという。
■新基準はいつ制定されるのか?
頑強な抵抗を見せるガラス業界だが、何もすべてのビール瓶を使い捨てにしろと要求しているわけではない。もしそうなれば工場フル操業でビール瓶だけを作ったとしても追いつかないからだ。現在、両者のいがみ合いは小休止状態で、旧瓶の品質をいかに保障するかに焦点が移っているという。
もっともこれまでも土壇場で話し合いがひっくり返ったこともあるだけに最終的な結果はまだわからない。2012年中に新たなビール瓶国家基準が制定されるかについて、関係者は「なにか動きがあることを期待しているが、今のところはまだ何もない」と話している。
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→一方、ガラス業界としては
だと思います!