• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

オタクネタで卒論書きたいだけどどうすりゃいいんだ?!中国人オタクの議論(百元)

2012年06月27日

■中国オタク「卒論にオタクネタをからめて書こうと思うんだが」■

*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年6月23日付記事を、許可を得て転載したものです。


オタクをやっていると、自分のオタク趣味を学校の勉強に混ぜるというか活かせたら……なんて考えてしまうことがあったりするかもしれませんが、大学生が主な層になっている中国オタクにもそういったことを企む(?)のがいるようです。

先日、中国のソッチ系の掲示板を巡回していた所、「卒論とオタクネタ」についてのやりとりを見かけました。9月が新学期の中国では、今の時期はもう卒論の話は季節外れっぽい気もしますが、とりあえず今回はその辺についてのやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの議論 

卒論にオタクネタをからめて書こうと思うんだが、なんか良い資料ないかね?オタクコンテンツと社会の関係についての方向でなら、自分の分野的にはいけると考えているんだが。

そういうテーマでやるなら参考資料は日本語のとかもあると良いかもね。アニメや漫画が日本の社会に与えた影響についての分析とかあるし。とりあえず、日本のアマゾンなら本の海外発送してくれるぜ!

私は日本のアニメや漫画が中国の若者に与えた影響みたいな感じで書いたな。日本語の資料もそれなりに使った。

ネットで検索すればある程度の資料は出て来るけど、やはりデータや説得力の関係から日本語の本は欲しいよね。自分も以前卒論をオタク系のネタで書いた時は日本のアマゾン使ったわ。

そういや、俺の知り合いにはネトゲに関して卒論書いて通したヤツもいたな。ビジネス分野や社会的な影響なんかを絡めて指導教官をうまく納得させていたのはよくやるもんだと思ったわ。

いいよな……そういう論文書ける学部は……。俺の専門分野だとそいうのを絡める余地が無い……

俺の学校は卒論に関して結構いい加減だから、ライトノベルについて書いちゃったぜ。なぜか点数もそれなりにとれた。

生物系の俺からしてみれば羨ましすぎる。こっちは毎日アレなウィルスとかとお付き合いして文章を書かなければいけないんだぞ!

工学部の方も、オタク関係と合わせるのは難しい……ウラヤマシイ。

宮崎アニメに出て来るアイテムや建築物のデザインに関して論文を書いちゃった建築学科の俺が通りますよ。

卒論ではなかったと思うが、今まで聞いた論文の中で一番スゲェと思ったのは萌えと飯島愛の自伝とフェミニズムに関して書いてたヤツかな。

日本語でオタク関係の資料なら岡田斗司夫の本とか、ロジカルで結構使い易いよ。

オタク関係の知識を活かした論文か……。そういや、ヨーロッパの中世の銃火器について書いているオタがいたな。そして、書いたヤツの部屋には巴マミのフィギュアが飾ってあったぞ……!

日本の小説というか、娯楽コンテンツ関係だと村上春樹を絡めるとイロイロとやり易いんだよね。ウチの国で手に入る資料も多いし、ネットでも見つかる。しかし、それ以外の分野を日本関係で本格的にやるとなると、どうしても「使える資料を探すのが難しい」という事態にぶつかってしまうんだよなぁ。

自分の専門的に卒論は無理だが、選択した課目によっては提出するレポートとかで結構やれたな。
オタ関係の作品を引っ張って来ての考察のレポート書いている時はとても楽しかった……またああいうのを書きたいなぁ。

そういうのってやたらと気合入れて資料調べたりして書いちゃうよな。卒論じゃないけど、自分もアニメ・漫画文化と現代中国の若者の思想への影響みたいな観点から書いたことがある。

俺は経済学関係で、現代中国の若者の経済的な発展へのアニメ・漫画コンテンツの影響という観点のレポート書いたわ。すごい楽しかった!

分かる。良い点数が狙えるわけでもないし、誰に見せたいわけでもないんだけど、楽しいんだよな。ヘンな言い方だけど「自分のため」に書いているのを実感できる。

そういや知り合いに何をとち狂ったか、すごい気合入れたブラウザゲームを卒業作品で作ってきたヤツがいたな。確かにスゴかったんだが、問題はあんまり面白くなかったことかな。

私の所の指導教官はそういうの認めてくれないんだよね。そっちの方面のテーマで書きたいといったら「やめとけ」と言われてしまった。まぁ、テーマがダメなのではなく、村上春樹や宮崎駿関係で書かれているその手の論文が多すぎるので、よほどのことが無い限り評価されないっていうのが理由だったんだが。

まぁ、完全に好き勝手にやらせるとヒドイことになるのは誰でも想像できるしな!学校側がストップかけるのもしょうがない。

あと、学部にもよるよね。文学関係なら村上春樹は一定の方向性を打ち出せればそれなりにいけるだろうし。てか自分はラノベで書きたかったけど、諦めて村上春樹にした……

文化関係の比較とかで書ける学科はウラヤマシイと感じてしまうぜ。

しかし、下の代の卒論見てると最近はわりと色んなテーマで書いてもよくなっているんだよな。デジタルメディア技術論で、アニメや漫画と絡めての論文とかを普通に書かせてもらえるようだ。自分の時はそんなことを指導教官に言える空気じゃなかった。自分も、もうちょっとはじけた方面で書きたかった……

それについては専門分野がどこかってのが大きいんじゃないか?自分もデジタルメディアに関係する分野だけど、そういうのとはあんまり関係なくて……。いや、別に今の専門に不満があるわけではないし、研究室も楽しいんだけど、ことオタク分野に関しては自分の専門分野の微妙な外れっぷりが悲しい!


とまぁ、こんな感じで。


■分析・評論好きの中国人オタク

中国オタク的に結構悪巧みというか悪ノリっぽいことをやっているみたいですね。自分の好きなモノとなると、湧いてくるエネルギーも違うようですし。

それと、これはあくまで私の個人的な印象ではありますが、中国の学生には自分の趣味を、いかめしい話にするというか、何かと結び付けて大マジメに分析したり文化的に語ったりするのがうまい人が多いように感じられます。

中国のソッチ系の掲示板を巡回しているときにも、そういった論説や分析の長文投下をちょくちょく見かけますし、中には大当たりな面白いモノがあったりもするのですよね。

あ、ちなみに当ブログのまとめ本「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」も中国オタク分野の論文としての資料にできなくもないらしいですよ!中国語繁体字版も「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで出ております。

20120627_写真_中国
 

 コメント一覧 (2)

    • 1. しちやん
    • 2012年07月26日 21:47
    • 中国にも日本のサブカルを研究の題材として扱える土壌が出来上がってるとは、非常に興味深い。
    • 2. Chinanews
    • 2012年07月26日 22:38
    • >しちやんさん
      卒論書く学生では多そうですが、指導できる教員はどれだけいるのか、ちょっと気になります。

コメント欄を開く

ページのトップへ