金満中国サッカーの里程標的存在だったスター選手ダリオ・コンカが中国移籍わずか1年でブラジル復帰を熱望していることが明らかとなった。

Soccer Beijing / IvanWalsh.com
コンカが広州恒大からの移籍を希望
今季は11試合に出場して7ゴールを記録。だがマルチェッロ・リッピが新監督に就任してからは出場時間が減少していた。この夏に加入したルーカス・バリオスも彼のポジションを脅かすと見られており、コンカはますます不満を高めていた。
コンカは1983年生まれ、アルゼンチン出身のMF。2009年にブラジルのフルミネンセに加入し、2009年と010年にリーグ最優秀選手に選ばれた南米を代表するサッカー選手だ。
2011年7月、中国の広州恒大に電撃移籍。シーズン半ばの移籍にもかかわらず9ゴールをあげ、1部昇格初年度の優勝という大記録に貢献した。コンカ選手の移籍金は1000万ドル(約8億円)で中国リーグ史上ナンバーワン(当時)。年俸も700万ドル(約5億6000万円)と破格だった。アネルカ選手、ドログバ選手と続く大物選手の中国移籍の道を切り開くさきがけとなった。
そのコンカ選手が移籍からわずか1年にして、ブラジル復帰を熱望しているというビッグニュースが中国サッカー界を賑わせている。リッピ監督の戦術とあわず、出場時間が減少しているためと伝えられているが、それだけではなさそうだ。
広州恒大は「高給で呼んだ大物外国人選手にも規律を守ってもらう」がモットー。5月1日、途中交代を命じられたコンカ選手はピッチ脇の水を蹴飛ばし、ツイッターで不満をつぶやいたため、「出場停止15試合、罰金100万元(約1300万円)」という重い罰を命じられた(なお出場停止は2週間後に恩赦で解かれた)。
大物であれ規律を守ってもらうという方針はいいことには間違いないが、「中国式規律」をちゃんと伝えられていたか、クラブとコミュニケーションがとれていたかははなはだ疑問。さらに中国ではクラブオーナーが絶大な権力を持ち、なにかとピッチ内に介入してくるのが常だが、それを外国人選手に理解させるのはなかなかに難しそうだ。またコンカ選手は今年初頭に子どもが生まれたというが、子どもと一緒の時間を増やしたいとも話している。
金満中国サッカー時代を切り開いたコンカ選手、今度は外国人選手中国脱出物語のさきがけとなってしまうのだろうか。
なお古巣フルミネンセが移籍金700万ドル(約5億6000万円)でコンカ選手獲得のオファーを出したと言うが、広州恒大は拒否。取得時の1000万ドルが最低ラインになるとコメントしている。
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