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2012年07月18日
ダラムサラ・キルティ僧院のプレスリリースによると、2012年7月17日正午(現地時間)、ンガバ州(アバ・チベット族チャン族自治州)バルカム県ギャロン・ツォドゥン郷にあるギャロン・ツォドゥン・キルティ僧院の僧侶ロプサン・ロジン(18歳)が焼身抗議し死亡した。
*写真はロプサン・ロジン。
ロジンは僧院集会堂の前で自らの身体に火を放った。しばらく政府庁舎に向かって歩いた後、倒れた。焼身と同時に多くのスローガンを叫んだというが、その内容は不明だという。遺体はすぐに僧院内に運ばれ、追悼の法要が行われた。
*炎に包まれたロジンと手を合わせる人々。
事件後、バルカムから武装警官隊がツォドゥン・キルティ僧院に向かって出発した。ツォドゥン郷のチベット人たちは阻止しようと橋に集結しており、衝突が懸念されている。
ロプサン・ロジンはバルカム県ギャロン・ツォドゥン郷ショラチャン村カルゴ家の出身。父ジョルゲ、母ツェポポの息子。幼少よりギャロン・ツォドゥン・キルティ僧院に在籍している。学業優秀で模範的僧侶だったという。家族は5人。
ギャロン・ツォドゥン・キルティ僧院はバルカムの北85キロにある。僧院の正式名はギャロン・ツォドゥン・キルティ・ゴン・ゲデン・タシ・チュリン。現在約300人の僧侶が在籍し、ギャロン地区で最大の僧院である。今年3月30日にもこの僧院の僧侶であるチメ・ペルデンとテンパ・タルギェがバルカム市内で焼身し、2人とも死亡している。
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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年7月17日記事を許可を得て転載したものです。