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こいつは難関だ!アニメ「超訳百人一首 うた恋い」に悩む中国人オタク(百元)

2012年07月22日

■中国オタク的に「うた恋い」は楽しめると同時に頭を抱える作品な模様■

*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年7月11日付記事を、許可を得て転載したものです。



7月から始まる新作アニメもぼちぼちと出揃ってきましたが、ありがたいことにそういった新作に関する質問をいただいておりますので、今回はその辺についてを。今期の新作の中で反応がやや独特に感じられるのは「うた恋い」でしょうか。

20120722_写真_中国_オタク_

中国オタクの中には日本文化関係に詳しい人間もいますし、日本の百人一首とその時代背景についてや、当時の朝廷のシステムなどもわりと知られていたりするようですし、そういった方面からも楽しめる作品となっているようです。

ただ、和歌を理解しようとすると一気にハードルが上がることから、この作品については「ストーリー的には理解できるし感情移入もできる、しかしテーマとなる百人一首の和歌そのものについてきっちり理解するのはかなり難しい」といったことになっている模様です。ちなみに「うた恋い」は中国の動画サイト「土豆」でも公式配信されているそうです。

それでは以下に、中国のソッチ系の掲示板で見かけた反応を例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの議論

今期の新作アニメの「うた恋い」、結構良いと思うんだが……結構難しいかも。自分は平安時代の雰囲気好きだし、源氏物語とか中文版で読んでいるけど和歌になると難しいものを感じる。いや、雰囲気良いし面白いんだけどね。

自分は「ちはやふる」を見て百人一首に興味を覚えてこの番組を見ているから、細かい所はそんなに気にしていないが、気にし出したらキリが無いのは理解できるわ。

てか、自分は監督の名前の「カサヰケンイチ」からして読めないんだが……これ、確かカタカナでいいんだよな?

クスッと来たり、暖かな気持ちになる作品だね。自分は和歌のことは分からないけど、良い作品だと感じた。

とても興味深い作品。日本の古文を学べるだろうし、ちょっと追っかけてみようと思う。

自分にとっては「ちはやふる」のカルタに出て来る歌の由来が分かるってのが良い。第一話からして、「ちはやふる」のタイトルの元になった和歌なんだから、そりゃあ見ますよ!

キャラが紙芝居っぽい感じなのがちょっと微妙に感じるくらいで、他はかなり良い。こういう艶やかさとギャグ混じりで古い故事を語るのは面白い!

OPからして音楽も画も非常に好み。現在、この作品の世界の中に自分がトリップする妄想が脳内で生成されております。

「ちはやふる」の和歌ってこういう内容っだったのか……こんなに直接的な内容だとは思っていなかったからかなり意外。でも随分と良い雰囲気の作品だから引き続き追っかける予定。

OPとEDの雰囲気が作品にあってないと感じた他は満足。あとベッドイン&アウトのスピードに吹いた。

日本の古典ってこういう恋愛関係の故事が多いし、恋愛関係の描写に関してはかなり直接的だよ。ちなみに自分は、NTRストーリーをやってくれるのを期待しております。

結構笑える作品だったのは良い意味で予想外。あと、自分も知っている和歌が第一話に来たのは嬉しかった。

なんかどっかで見たことあるなーと思ったら作者はニコニコのMADのcdmさんか!あの人の作風が大好きだったし、これは続きを期待しないわけにはいかない。

雰囲気は良いけど、服の模様が動かないのが残念。そこだけ妙に気になった。見る前は正直、文化の普及というか教育関係かと思っていたが、実際はとても萌えるストーリーだった!あと1話で二回もベッドシーンがあるとは思わなかった。

ちょうど百人一首のかるたを手に入れた自分にとって、とても嬉しい作品だ。かるたと一緒に見るとするよ。

自分は平安時代にかなり思い入れがあるんで、このアニメには期待と同時に不安を感じる。現在発表されているCVを見ると、明らかに自分の中のイメージと一致しないキャスティングがあったりする。追っかけるべきか、やめるべきか……

これは面白い。正当な歴史アニメかと思っていたら、コメディ要素も入っているし随分と気軽に楽しめる作品だった。音楽も良いし、和歌についても楽しめる描写だ。不満に感じたのはベッドシーンの展開が速すぎるとこくらいかね。

お勉強のためのアニメ教材ってわけじゃなく、文化歴史関係で普通に楽しめる作品を出してくるのはスゴイよね。ウチの国の古文にも恋愛関係の作品は多いし、日本にも大きな影響を与えていたはずなのに、なんでこういう風にやれないんだろ。

自分はある程度のレベルの日本語能力はあるつもりなんだが、この作品は難しい所も多いね。久々に字幕に頼りたくなったんだが、ファンサブ字幕の動きが鈍い。これって土豆が版権買ってるからかね?

いや、今まで土豆が版権買ってる作品でも普通にファンサブ字幕版がネットに流れていたからそれが理由ではないと思う。実際は翻訳が難しいってのが大きいんじゃないか?和歌の心理描写や背景説明とか難しいだろうし。

和歌の部分は中国語で説明するのが難しいし、字幕作るのも難しいよね。和歌を中国語に訳すなら注釈が必要だし、そもそもきちんと訳すなら歴史的な背景を調べまくらないといけない。更に、現代中国語に訳すと和歌の雰囲気が消えてしまう。

こういうのって専門家がいるから、ちょっと調べた程度では恥かくしなぁ。和歌そのものの他に、歴史上の事件や名称にその背景まで関係するから、なんか、もう。今出ている字幕を見ても、わりとイッパイイッパイな感じがする。

このアニメってマジで字幕を作る人間の実力が試される作品だよな……ストーリーだけを訳すならそこまで難しくないけど、きちんと背景も含めて訳したり、和歌の雰囲気を伝えようとする場合、難度が跳ね上がる。

このアニメ、恋愛描写や当時の空気を感じ取る分にはそれほど難しくないけど、全部理解しようとするとスゴイ難しいよ。日本語を学んでいる人間にとっては日本語の上級応用レベルと日本の文化への理解を試される作品なのかも……

とまぁ、こんな感じで。


■好評ながら難しいの声も

作品のストーリーや雰囲気はかなり好評のようですが、全てを理解できなくてもどかしさを感じたりもしているようでした。

また、「うた恋い」を見ている人の中には「ちはやふる」から流れてきた人が結構いるようで、第一話が在原業平の歌というのは中国オタク的にかなり入り易かったようですね。

ただ、やはり百人一首を中国語にするのは苦戦しているようでした。和歌は意訳すれば済むものではありませんし、意訳するにしても正確に訳すには結構な知識が必要です。一応、イロイロと調べて意訳して更に五言や七言にして中国語のリズムに合わせようとするなど、頑張ったりはしているらしいのですが……

それから、「中国で日本の平安時代ネタはどうなのか?」という質問もいただいておりますが、実は中国ではゲーム「遙かなる時空の中で」シリーズなどが結構な人気を得ていたりしますし、平安時代ネタというか平安ファンタジーネタに関しては普通に受け入れられているようです。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年7月11日付記事を、許可を得て転載したものです。

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