2012年7月26日（日本時間）、ロンドン五輪男子サッカー・グループリーグの日本対スペイン戦が行われた。

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日本は優勝候補スペイン相手に五分以上の戦いを展開し、1対0で勝利。大金星をあげた。相手が相手だけに中国サッカーファンにもこの勝利は大きな波紋を呼ぶものとなった。マイクロブログには「アジアの誇りや！」といったコメントも（新浪網のつぶやき、コメント欄）。

さて、これまで本サイトでも何度か取り上げているように、中国のサッカーメディア、サッカーファンのお家芸といえば「自虐ネタ」。とりわけＪリーグ以前は「中国より格下」だった日本代表が飛躍的な成長を遂げている事実は格好の自虐芸披露の機会となっている。

日本の青少年育成システム、学校スポーツ制度については中国でもよく知られており、目先に結果にこだわるだけで、日本をほめて、猛烈に退化する中国を批判するというのが一般的。というわけで新鮮味のないネタではあるのだが、中国のサッカー自虐芸がどれだけ進化しているのか、新ネタはあるのかを抑えておく意味でもウォッチしておきたい。

以下は捜狐網がまとめた著名人の自虐つぶやき一覧。小見出しは本サイトでつけたもの。

日本はますます強くなっている
サッカー評論家・冉雄飛
日本五輪代表が1対0で勝った。米国の評論家が劇的な結果だと行っていたが、冷静に見ればマンＵのＧＫデ・ヘアがいなければ、あるいは日本に優秀なＦＷがいれば、日本は4対0で圧勝できていたはずだ。馬鹿げた仮定ではあるが、日本を見ると愛する中国代表のことが不安になる。日本サッカーは一世代ごとに強くなっている。うちの国はどうなんだ？

日本の強さはテクニックと規律
現役選手・艾志波
日本五輪代表は良かった。テクニックはいうまでもなく、フィジカルや接触プレーでも上回っていた。もちろんスペインが弱いというわけではない。実際、日本と中国の一番大きな差は態度にあると思う。テクニック以外のあらゆることでボクらはまあそこそこいけていると言える。ただ規律がね……。

日本は世界のどんな強豪ともわたりあえる。
人民日報体育部主任・汪大昭
日本がまた奇跡を起こした。五輪初戦でスペインに勝ったのだ。ゴールはコーナーキックがピッチに落ちてからという危ないものだったし、追加点のチャンスを逃してはいた。とはいえ世界のどんな強豪とも渡り得るレベルに達している。すごい。

これがサッカーだ。
現役選手・王宏有
日本は勝利に値するプレーをしていた。これがサッカーだ。なのにうちの国のサッカーはもう……。

永井はワールドクラスになる
現役選手・杜文輝
日本の11番（永井）はチャンスをモノにする能力がすごい。絶対にワールドクラスになるよ。日本サッカーは男子も女子もすごい勢いで成長している。なんでなんだろ？

もし日本が多民族国家だったら……
サッカー評論家・黄建翔
（テレビの）解説者が「スペインはどの世代も強い。恐るべし」って言っていたけど、中国サッカーファンとして日本のほうがよっぽど怖いわ！日本がスペインと試合していると、未来のアジアの大会で中国がどんなふうにされちゃうのか想像してしまう。日本サッカーはもう世界の「準」一流だよ。単一民族国家だから、ＤＮＡ的に肉体的な条件はなかなか変えられない。多民族国家ほど選手選抜の条件はよくないのに。もしそうじゃなかったら（日本が多民族国家だとしたら）……、いやもうこれ以上考えたくないね。

Ｊリーグの20年間
元代表選手・黎兵
驚くことじゃない。この試合の勝利は20年間の蓄積にあるんだ。

中国サッカーは犠牲者
スポーツ記者・馬邦傑
中国サッカーの問題は体制と文化にある。中国サッカー協会も中国サッカーも犠牲者だ。楊一民、南勇、謝亜龍（中国サッカー協会の歴代トップ）も犠牲者だ。これは悲劇だ。中国の選手、関係者は一生をささげても残るものは悲劇しかない。。

日本のサッカー頭
アナウンサー・劉建宏
日本サッカーは再び世界にその名をとどろかせた。中国サッカーはまたも針のむしろだ。スペインと比べて、日本はテクニック、フィジカル、ポゼッションではまだ劣っている。だがその規律、闘志、組織力は勝っていた。特にサッカー頭ではスペインと互角だった。だから日本のディフェンスは受け身じゃなくて主体的だったし、個人じゃなくて組織で戦えていた。もしこれに加えてワールドクラスのストライカーを育てたらと思うと……。

中国の若手選手はどこに？
サッカージャーナリスト・馬徳興
日本五輪代表がスペインに勝利した。1996年のブラジルを破った試合に続く、影響力のある勝利だ。お、それからＵＡＥ（ウルグアイ相手に先制するも1対2で逆転負け）。来年のアジアカップ予選で同組になったら面倒なことになりそう。1989年生まれの中国人選手の名前を何人上げられるだろうか？いや、この世代の選手のやる気をそぐつもりではないんだけど。

中国と日本の差
ネットアイドル・芙蓉姐姐
日本が勝ったね。で、日本サッカーは中国よりどれだけ先に行ってるの？誰か教えて。

現実を見ようぜ
元代表選手・李鉄
現実を見よう。中国と日本の差は開くばかりだ。私たちは中国サッカーにふさわしい道を探して、その道を地道に進もう。まごまごしている場合じゃない。日本サッカーがＷ杯で優勝している時に、中国はまだ2回目のＷ杯出場を目指して頑張っています、なんてことにならないように。

個人的には黄健翔の「もしも日本が多民族国家だったら」を新ネタ大賞に認定。もちろん多民族国家・中国を当てこする自虐芸だ。

というわけで、中国の日本絶賛コメント（本当の狙いは自虐だが……）を山ほど見てお腹いっぱいになったのだが、ちょっと気にかかるのは「日本＝まともなＦＷがいない」認定が継続していること。大迫がいればこんな屈辱は受けなかったのに！と鹿島アントラーズファンとしては強く主張しておく。

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