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深刻な中国の抗生物質乱用、使用量は米国の10倍=処方規制法が施行

2012年08月02日

2012年8月1日、中国で「抗菌薬物臨床応用管理弁法」が施行された。抗生物質の過剰使用をストップする目的だ。2日、京華時報が伝えた。


抗生物質
抗生物質 / iyoupapa

中国では薬の過剰使用が問題となっている。病院は薬で利益をあげなければならないという構造的な問題が背景にある。抗生物質もその一つ。中国の抗生物質販売量は1人当たり平均年138グラム。米国の10倍という高水準だ。入院患者の70%に抗生物質が投与されている。抗生物質の乱用が続けば耐性菌が増える可能性が高まるとして懸念が広がっていた。

今回導入された抗菌薬物臨床応用管理弁法では抗生物質を使用制限なし、使用制限あり、特殊の3段階に類別する。このうち特殊に類別された抗生物質は外来で処方することが許されず、使用には入院が前提となる。また中級以上の職位の医師でなければ処方が許されないようになっている。違反した場合には3万元(約39万円)以下の罰金が課されるほか、6カ月から1年の抗生物質処方禁止が科される。深刻な違反の場合には業務停止、医師資格取り消しの処分が科される。

日本でも同様の問題があるが、薬で儲けなければやっていけない医療現場の改革を求める声が高まっているが、医療改革は遅々として進まない。今回の抗生物質規制も対処療法的な対策にとどまっている。

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