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【五輪】「飼い狼」に手をかまれた?!カザフの金メダリストは元中国人か

2012年08月03日

ロンドン五輪女子重量挙げでカザフスタンが2つの金メダルを獲得したことが、中国で波紋を呼んでいる。「養狼計画」の失敗だというのだ。


奥运系列举重
奥运系列举重 / guoyong511

■養狼計画


7月29日、重量挙げ女子53キロ級でズルフィヤ・チンシャンロ選手が金メダルを獲得。31日には63キロ級でマイヤ・ミネザ選手が金メダルを獲得した。

中国メディアは両選手が元中国人だと報じている。ズルフィヤ・チンシャンロ選手は湖南省出身の趙常玲、マイヤ・ミネザ選手は遼寧省出身の姚麗だったとの指摘だ。2人は2007年に「養狼計画」のためにカザフスタンに送り込まれ、国籍を取得したという(新文化報)。

「養狼計画」とはもともと卓球競技で使われていた言葉。中国があまりにも無敵すぎるため、他国で競技自体の人気がなくなり、最終的には五輪から競技が外されるのでは……との懸念が広がった。競技自体を盛り上げるために他国を強化するために力を貸すべし。それが「養狼計画」だ。

もっとも直接的に選手を送り込んで帰化させるというのではなく、他国選手を受け入れてトレーニングに協力するという話だったはずだが、女子重量挙げでは2選手をそのままカザフスタンにプレゼントしたという。

ちょっと面白いのがマネザ選手の境遇。もともと遼寧省の有力選手だったが、コーチが教え子十数人を引き連れて湖南省に移籍、マネザ選手もその際に移籍した。選手を抜かれた遼寧省からは追っ手がかかったが、選手を取り戻すことはできなかった。これが事実だとすれば、マネザ選手は遼寧省から湖南省、湖南省からカザフスタンと2回にわたり、「転売」されたことになる。


■カザフスタンは真っ向否定

「養狼計画」という発想はともかくとして、五輪出場のために国籍を変えるという例はそう珍しい話ではない。が、今回の一件で面白いのはこの国籍変更の真偽をめぐって、中国とカザフスタンで食い違いが生じていることだ。

カザフスタン政府、それにチンシャンロ選手、ミネザ選手は中国出身であることを否定。五輪の公式データでも、チンシャンロ選手はカザフ生まれ、ミネザ選手はキルギスタン生まれと記載されている。

産経新聞の記事「中国メディア、金のカザフ選手は「中国人」と主張 中国語での質問拒絶され逆ギレ」は中国側の主張は怪しいと匂わせているが、中国語メディアはやたらと具体的な話しを並べ立てているので、個人的には中国側の主張が本当という可能性もあるんでは、との印象。2007年に国籍を変えていれば今回の五輪出場には問題なさそうだが、もしプロフィールの虚偽申告があった場合にはなんらかの罰則があるのだろうか。

また産経は「他国の金メダルまで中国に関連付けようとする姿勢に、中国国内でも失笑が起きている」と書いているが、私がみたところ「養狼計画」の失敗を問う声が主流のよう。狼を飼うのはいいが手を噛まれては仕方がないという論調だ。そこそこ盛り上げてくれるが、飼い主には逆らわない「養犬計画」ぐらいがちょうどいいのかもしれない。

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