■中華民族の復興が62%まで進んでいる件■*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年8月5日付記事を許可を得て転載したものです。
どうやって算出しているかさっぱり分かりませんが、専門家が言うならそうなのでしょう。
専門家「中華民族の復興任務は2010年で62%完成」(中国新聞網、2012/8/3)
どうやっても主観的な要素が入りまくる指数を発表していいものなのか、どこが科学的発展観なのかと胡錦濤を叩きたくなります。
国家発展・改革委員会マクロ経済研究院社会発展研究所という、およそ中華民族復興とは縁遠そうな研究所の揚宣勇・所長が、3日に北京で開かれた中国現代化研究フォーラムで「中華民族の偉大な復興の過程観測評価指標体系構築と観測」の報告を行いました。うーん、これはタイトルからして胡散臭いですね。そして、長い。
中華民族とは何なのか。復興の度合いは、どういった指標を元に算出されるのか。揚所長によれば、最低でも以下の5つが含まれるそうです。
1:経済を中心とした総合的国力が発展途上国の水準に達し、人民の生活が基本的に近代化しているか
2:社会の全面的な進歩と各方面の協調発展の実現、科学技術、教育、医療水準が世界の先進的レベルに達しているか
3:社会主義民主、法制の整備、人民の政治、文化権益が尊重、保証され、社会秩序が良好であるか
4:人と自然和諧発展と、その発展が持続、及び生態環境が改善し、資源の効率的な利用の向上
5:祖国統一を実現し、世界の平和と発展に更なる貢献が出来ているか
細かく言うと、民族復興指数、経済発展、社会発展、国民民度、科学技術、資源環境、国際的影響、GDPの人口別配分、エンゲル係数、ジニ係数や国際競争力などから判断をするようです。
そこで揚所長が発表したのは、2010年の時点での62.74%という復興指数。2005年の時点で46.44%だったそうで、この5年間で中華民族が相当「復興」していることがわかります。2005年にそんな発表ありましたかねえ・・・
私は単純に中国が与太でも何でも中国領と主張している場所を全部かっさらえれば100%になるのかと思っていたのですが、複雑wな要素が絡んでいるので領土問題だけで100%になることはなさそうです。逆に言えば、この5年間で領土は殆ど拡張されていませんので、今回の大幅な伸びは、経済成長によるところが大きいと考えられます。
ただ、中華民族の復興が何を以って100%となるのかの定義がありませんので、世界終末時計の中国版みたいなものなのでしょうが、何のために発表しているのか意図が掴みかねます。
このニュースを受けてのものでしょうか。こういうつぶやきを見つけました。
*89.64%、ローディング……中華民族復興プログラムのインストールに失敗しました。プログラム削除後、再インストールしてください。
関連記事:
【写真】中国国家博物館の絵画展示から見る中国共産党の歴史観(犬大将))江沢民復活の辛亥革命記念大会=テーマは「中台統一」―中国コラム)文化大革命で奪われたチベットの仏像=北京で見た傷跡―チベットNOW)書き換えられたチベットの歴史=プロパガンダ映画『農奴』の記憶―チベットNOW)日本の「コスプレ」から中国の「COSPLAY」へ=国家にからみとられたオタク文化)*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年8月5日付記事を許可を得て転載したものです。