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遼寧省の市場に広がる臨時休業=中国式摘発キャンペーンの恐怖

2012年08月10日

警察のいけにえはまっぴらごめん――瀋陽市の一部市場に大規模休業が広がっているという。2012年8月9日、RFIが伝えた。


朝内菜市场
朝内菜市场 / shizhao

■全国運動会

遼寧省では来年、中国国内最高のスポーツ大会である全国運動会が開催される。4年に1度開かれるこの大会は省・市・自治区がメダル数を争う対抗戦。地方官僚のメンツを賭けた、ある意味、五輪以上に熱い戦いである。

世界の有力選手の中には五輪イヤーの翌年は休養にあてるものもいるが、中国人アスリートにはそんなぜいたくは許されない。全国運動会があるからだ。2年連続で続くビッグイベントは選手にとって大きな負担との指摘もある。


■ノルマ

さてビッグイベントでてんやわんやとなるのはアスリートたちだけではない。開催地も大会を成功させ、地方官僚の業績とするべく激しい気合いでのぞんでいる。

遼寧省警察がこのたび頑張ってみたのは市場の規則違反・ニセモノ商品摘発キャンペーン。ところがそのあまりの気合いの入りように、これでは商売にならないと店を臨時休業する店が続出する騒ぎとなった。「不景気で市財政が苦しいため、全国運動会の開催費用が不足している。今回の取り締まりは罰金徴収が目的。10億元(約130億円)を集めるつもりらしい」などとの噂が広がったのが原因だ。

お金目当てかどうかはともかくとして、酷い摘発が行われているのは事実だという。南方都市報の報道によると、各地の警察に摘発ノルマが課されており、達成できなければ責任者が処罰されるのだとか。鞍山市警察のある分局幹部は「20日間のキャンペーン期間中に26人逮捕がノルマ。目標を大きく上回るべきということで、1日1.5人ペースで捕まえなきゃならんのよ」と暴露したという。

市政府は再三噂を否定し正常な理由がなければ休業しないようにと求めたが、市場の店主たちは聞き入れず。むしろ休業の拡大が続いていた。8月7日、瀋陽市政府は摘発キャンペーンの中止を発表。営業を再開するよう求める通達を公布するにいたった。もっとも報道によると、店主たちは「通達は罠や!」と警戒を緩めず、いまだに休業をづけているという。

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