中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年08月14日
Olympic Park London 2012 / williamsdb
■日本人だけが主役オリンピック@日本テレビ局
ロンドンオリンピックも今日で終わりです。ロシアでのオリンピック放送を見て、日本とは違うなァ~と思いました。今私はロシアにいますので日本の放送は見られませんけれども、14年日本で暮らしている間、冬季オリンピックを含めていくつかのオリンピックを日本のテレビで見ていますから、だいたいのイメージはわかると思います。
日本での放送は最初から最後まで日本人選手の応援がメインになっている感じです。ケーブルテレビなどの有料チャンネルではそれなりに「客観的な」放送もあるかもしれませんけれども、一般の放送は明らかに日本の応援一色です。ロシアの放送でも、コメンテーターの口からロシア人選手への応援の言葉がよく出てきますけれども、全体像を映そうとしている姿勢が日本よりもずっと強いというのが、私の印象です。
日本で暮らし始めて間もない頃、「日本人選手一色」という日本の報道の特徴をまだ知らなかったので、アトランタオリンピックで有森裕子さんが銅をとったときてっきり「金」かと思い込んでしまったことがあります。理由は、テレビで有森さんばかり映っていたからでした。自分の勘違いに気づくとともに、日本の報道にとってマラソンそのものはどうでもいいことがよくわかりました。ま、でも、自分の国の選手を応援したい気持ちはとてもよくわかります。
■ロシアのメダリストは芸能人じゃないですよ
もう一つ、日本とロシアの報道で違うなと思っているのは、メダリストの扱いです。日本では、メダルをとった選手はあっちこっちのテレビ局から引っ張りだこになります。一方、ロシアでは選手を「芸能人」扱いにする動きはまったくなく、インタビューも少ないようです。例えば、今回ニジニ・ノヴゴロド出身のバドミントン選手たちはメダルをとりましたけれども、彼らの帰国シーンがテレビで映ることもなかったし、インタビューも公園を歩きながらという形でごくシンプルで落ち着いたものでした。
国が違えば色々違います。選手たちに対して親近感が湧くので、日本的なフィーバーはきらいではないんですけど、かといってオリンピックの全体像がよりつかみやすいロシアの放送も「大人向け」という感じで私は好きです。思うには、きっとスポーツに限らず、他のニュースなども、一か国の情報源しか持っていないと、かなり偏ったイメージが出来上がってしまう可能性がありますので、他国の放送は絶対見る価値が高いと思います。
関連記事:
チベット人初の五輪メダル=チュヤン・キの笑顔(tonbani)
【五輪】【女子サッカー】「良き敗者」となったなでしこジャパン=中国メディアが選んだベスト12
【五輪】バドミントン無気力試合で8人失格=選手に罪を押しつけたBWF―中国
【小ネタ】「同着なのに韓国に負けてるやん!」五輪表彰式に中国ネット民激怒―中国
【五輪】「飼い狼」に手をかまれた?!カザフの金メダリストは元中国人か
【五輪】「日本すごい!スペインに勝った!なのにうちの国は……」中国サッカー関係者の自虐大喜利
*本記事はブログ「ロシア駐在日記」の2012年8月12日付記事を、許可を得て転載したものです。