「尖閣で日本人に捕まると寿司を食わせてもらえるらしい」「ちょっくら領土を守りに行ってくるわ」
香港活動家の尖閣上陸後、中国語で上記の小ネタがつぶやかれていたのを目にした。ググると、17日に航空機で強制送還された活動家の一人、古思堯が取材に答えた話がもとになっているもよう。
香港でも2回ばっかり拘置所にぶちこまれたけどね。那覇は結構きびしかったね。取り調べの時は手錠かけられたし、金属探知機で体を調べられたし。シャワーも15分だけなんだ。香港だったら時間制限はなかったのにな。でもメシはよかった。寿司、揚げた肉、豆腐の味噌汁……。毎食、メニューは違っていたね。(明報)
という内容。
ところが今日になって新京報が伝えた、活動家、マカオ保釣行動委員会の伍錫堯主席のインタビューでは内容が著しく異なるのだ。
日本人は本当に非人道的だった。3人を一つの船倉に押し込んだ。2平米もないような船倉に、だ。眠れやしない。それに水もくれない。トイレにも行かせてくれない。これが一番辛かったし、もっとも非人道的だった。
(Q:何を食べましたか?)逮捕から15時間後に(那覇の)港についたんだが、そこではじめてちょこっと米を出してくれた。まずかった。それからもやし。油も使ってないんだぜ。
という内容。古思堯が主に那覇での話を語っているのに対し、伍錫堯が那覇に着くまでの海保巡視船の中での話を語っているので、必ずしも2人の話しが食い違っているとは言い切れないのだが、ずいぶんと印象が違う。中国メディアはこのインタビューをもとに、「トイレにも行かせなかった非人道的な日本」という切り口で大々的に報じている。
しかもちょっと見たかぎり、寿司の話は中国本土メディアは伝えていないようだ。寿司を食べたことがばれると、「保釣英雄」の悲壮感が失われるという配慮だろうか。これはやばい。食い物の恨みは恐ろしい。「もやししか食わせなかった非人道的な日本」というネタが広がると、中国人民の怒りに火を着けることは必至。日本政府は「寿司を食わせました!上寿司です!うに、いくら、大トロ入ってます!」と大々的に喧伝するべきではないだろうか。
*おまけ
「
尖閣上陸問題 香港テレビ局が新たな映像放映 海保の船に投石も」(FNN)が紹介しているが、抗議船に同乗していた香港フェニックステレビのカメラマンが撮影していた動画が公開された。
こちらで視聴できる。4本あるが、1本目と4本目。「独家」とタイトルに入っている動画がオススメ。
香港から持ってきていたのだろうか、活動家が海保巡視船に投石している姿、海保巡視船の果敢な衝突攻撃、上陸した活動家が旗を振って喜んでいる姿を、なぜかぼーっと見ている日本警察官などなかなか興味深い映像が収録されている。しかし巡視船の幅寄せアタック映像を見る限り、あそこで乗り移っていれば上陸阻止も可能だったように見えるのだが……。
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