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2012年08月24日
Chinese Mobile Jail / Gabriele B.
■前置き:政法委縮小論
昨年から今年にかけて行われた直轄市、省、自治区の指導部入れ替えで各級の政法委書記が公安局長を兼任せず、政法委と公安との権力分散を図っている地域が大多数を占めています。
公安局長が兼任する事で、公安の司法への過剰な介入が目立ち、司法関係者から政法委書記と公安局長の兼任に不満の声が高まっていたのと、年々増大し公表されている国防費を超える「国内治安維持費」に脅威を感じた胡錦濤が、縮小を考えるのは当然でしょう。
今年秋に行われる予定の第十八回党大会で、常務委員がこれまでの9人から7人に減る可能性が高まっているのですが、そこで外されるのは宣伝担当と政法委と予想されています。
トップが常務委員から政治局委員に格下げになると共に、公安部門が分離されて、かなりの権限が縮小されるものと見られているものの、これまで公式には当然それを認めることはありませんでした。
■周永康の発言
こういう情勢なのですが、中央政法委トップである周永康が事実上政法委の弱体化に言及しています。
周永康、北京・天津の政法機関を視察=執法規範化建設の推進強調(新華社 2012/8/21)
天津市第一中級法院を視察に訪れた周永康さん。こう発言しています。
権力が比較的集中する執法の領域に置いては、合理的に執法のかなめを区分し、執法権力を分け、相互の協力関係や相互を監督、制限する工作機構を構築し、司法の不公平、汚職問題を防がなければならない。