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2012年08月26日
from my car window now - Luanda, Angola, Nov 4, 2008 / oneVillage Initiative
■チャイニーズ・マフィア@アンゴラ
アフリカ南西部の国・アンゴラ。2002年の内戦終了からまだ10年しかたっていないが、石油やダイヤモンドなどの天然資源を背景に経済は急成長を遂げている。この地に商機を見出した中国人も大挙流入。その数は26万人を数えるという。アフリカ全土で中国人は約100万人というので、4分の1超がアンゴラに集中している計算だ。
新天地アンゴラでの仕事を頑張っているのは企業家や労働者、商店主だけではない。チャイニーズ・マフィアもその一員だ。福建幇、江蘇幇など地縁を軸にしたマフィアグループが複数結成されているという。
中国人による中国人を狙った犯罪は2009年から急増。2010年から20件もの誘拐事件が報告されている。報復を恐れ通報しないケースも多く、実際の被害は100件を超えているとは中国大使館の指摘。
ガソリンをかけて火を着ける、生き埋めにすると恐ろしすぎる脅迫をされ、身代金をむしり取られるという。
また中国本土よりもよっぽど凄まじい暴力事件が多発していることも特徴だ。2011年には14件もの凶悪事件が発生したが、街で車を走らせている時に問答無用で銃撃されて死亡といった事件もある。強盗や誘拐以外では売春強要も多い。「アンゴラにいいお仕事ありまっせ」と中国人女性を勧誘し、アンゴラで売春に従事させていた。
さすがにまずいとなったのか、今年5月に中国公安部はアンゴラに人員を派遣。8月に現地警察と協力し、犯罪グループ12グループを摘発し、37人を逮捕。被害者14人を救出した。同時に中国本土の協力者24人を逮捕した。犯人と被害者は25日、チャーター機に乗って帰国した。
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あの国に生まれなくて本当に良かった。