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2012年09月01日
Beautiful Fenghuang / magical-world
■観光ブームの覇者・鳳凰古城
鳳凰県は湖南省西部、湘西トゥチャ族ミャオ族自治州に位置する小さな県。鳳凰古城と呼ばれる、その県城(県庁所在地)はミャオ族やトゥチャ族の民家や清代の山塞が残る。山と川が融和した中国画のような風景は高く評価され、2001年には国家歴史文化名城にも選出されている。
観光リソースの素晴らしさだけではなく、観光客誘致戦略も高く評価されている。ここ10年の旅行ブームでの勝者と言えるだろう。観光客数は2000年ののべ57万人から2011年には650万人にまで膨れあがった。観光収入は100万元(約1300万円)弱から44億3100万元(約576億円)と奇跡的な成長を達成している。
■ドラえもん的解決
というわけで、大成功をおさめた鳳凰県だが、問題は大混雑。夏休みなどピークシーズンには人があふれかえるという。遊覧船の船着き場には100メートルもの長蛇の列ができ、渡れるほどに川幅が狭まっている名所・跳岩橋は人でいっぱい。飛びこえるどころではないという。
このままではあかん、ということで発動した解決策がすさまじい。なんと現在の鳳凰古城から6キロ離れた場所に、まったく同じ姿・形の街をこさえる予定だという。総投資額は55億元(約715億円)。
「これで混雑は半分になるで!」と自信満々に発表された計画だが、中国メディアからは「コピーされた鳳凰「古」城は本当に古城なのか」「愚かすぎる」とバッシングの嵐。 確かにオリジナルとコピー、どっちに行きたいかと言われればオリジナルを選ぶ人が大半だろう。コピーを見に行くのは私のような物好きだけという悲しいことになりそうだ。
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