中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年09月05日
■共青団のすべらない話
令計画が、統一戦線工作部という共産党以外の党/少数民族/台湾/チベットを相手に会議や宴会する宴会部長職に就任したというニュースから「李克強とか令計画とか、団派の宴会って面白くなさそうだよな」と思ったのがきっかけで、「じゃあ団派で誰の宴会なら盛り上がるかな?」というのを考えてみました。
◎本命:汪洋
いかにも人懐っこい田舎っぺキャラに加え、ここ数年で習得した「インチキ広東語」は、盛り上がり必至の宴会芸
◯対抗:劉延東
紅一点という存在と太子党時代からの宴会慣れで、すでに「次期宴会総書記」は確定か
▲大穴:胡春華
ロードムービー風の鉄板ネタ「チベットに赴任する時に、北京から歩いてチベットまで行った話」の持ち主。とても一回3時間の宴会では終わらない超大作
皆さんのご意見お待ちしております。
■家族ネタも車ネタもNGの宴会部長って
令計画の息子の自動車事故詳細を、サウスチャイナモーニングポストが報じた模様。
(博訊の中国語転載記事を参照しました。内容は一部省略してます)
3月18日、一台の黒のフェラーリが北京市北四環で柵に衝突、跳ね返って壁面に激突した。20数歳の男性がその場で死亡(なぜか半裸)、他の2名の女性は(なぜか一人は全裸で一人は半裸)は重傷を負った。インターネットで流出した車の写真から、人々はきっと「富二代」の酔っぱらい事故だろうと考えていた。
この死亡した青年は「賈」という苗字であると伝えられたことから、一部では常務委員序列四位の政協主席・賈慶林の私生児ではないかという疑惑を呼んだ。風説は加速し、事故発生当時、この三人は車の中で性行為をおこなっていたという噂も飛んだ。誰が車を運転しており、誰が前列にいて誰が後列にいたかなど、証言は一致せず、単なる北京の権力者ゴシップと化していった。しかし、薄煕来が重慶市党委書記を罷免されてからわずか3日後に発生したこの自動車事故は、より重大な意味を持っていた。そして、今秋開かれる新たな指導者が誕生する十八大の大きな火種となってしまった。なぜならこの交通事故の被害者は実の肉親でも賈慶林でもなく、権力闘争の渦中にある重要なプレイヤーの政治的生命を左右したからだ。
ある大陸の公務員や北京のメディア関係者の多くが伝えたところによると、この死亡した若者の名前は令谷、令計画の息子であったという。令計画は中央弁公庁主任で、いわば胡錦濤の片腕とも言われる人物だ。令計画は胡錦濤派の重要メンバーであり、10年後のいわゆる第6世代の中心的立場の一人。この自動車事故スキャンダルは、令計画が常務委員会するチャンスが少なくなったことを意味し、そして日曜日に発表された人事情報で、彼は統一戦線工作部の部長となることが発表されたが、これは基本的には実権の無い職だ。
これは令計画本人の危機だけでなく、このスキャンダルが十八大前に公になれば、胡錦濤陣営にとっても大きな障害と言える。胡錦濤は党総書記、国家主席として清廉なイメージで人気を保っており、誠実で、指導者の腐敗を許さない立場であろうとしていた。その彼の最も信任する補佐の息子が、様々な人に噂されるようなものであることは、彼のイメージに泥を塗ることになる。
大陸のある公務員は、自動車事故スキャンダルがもたらしたものは、些細なイメージの低下ではなく、死亡した若者の本当の身分を隠蔽しようとしたことこそが、胡錦濤側にとって大きなマイナス要因だという。
死亡したのは賈慶林の私生児だという噂を耳にした賈慶林は激怒し、秘密裏に調査を行い、非常に早い時期に、運転していたのが令計画の息子であることを掴んだ。調査報告書はすぐに、前総書記で賈慶林の盟友でもある江沢民へと渡った。江沢民は既に引退しているとはいえ、最高指導者達には巨大な影響力を持っており、彼と胡錦濤は次の指導者層を誰にするかで真っ向から衝突していた。
江沢民はこの事実を三ヶ月ほど留めおき、そしてある会議の場で胡錦濤に伝えたという。北京のあるメディア関係者によると、令谷が自動車事故で死亡したことはすぐにわかっていたものの、その時はすぐに報道制限が敷かれた。ある人は「私はいままでこんな最高指導者層から箝口令が出たことなんか聞いたことがない」ということだ。
興味深いのは、3月19日の環球時報(英字版)、そして党の喉舌である人民日報で、この自動車事故が報道されていたことだ。報道には事故の概要が載せられていたが、しかし死亡した人物の名前はなかった。途中で箝口令が布かれたのは間違いなく、「死者に何らかの背景がある」ことは明らかだった。
江沢民からこの話を聞かされるまで、胡錦濤は全くこれらの事実を知らなかったと言われている。このニュースの真偽は永遠にわからないものと思われていたが、6月初めごろから、海外のいくつかのサイトで間違いなく死者は令谷だと噂されるようになった。最近香港メディアがこの自動車事故スキャンダルについて発表し、令谷が間違いなく事故で死亡したと指摘した。しかしこの文章では続いて、彼が運転していた訳ではないこと、また事故を起こしたフェラーリの持ち主ではないこと、事故発生時にセックスなどはしていなかったことを指摘している。また6月、いくつかのサイトでは、令計画の妻・谷麗萍が慈善団体の基金を横領したという噂も流れた。
このようなプライベートでのマイナスにも関わらず、胡錦濤はそれでも令計画を指示している。6月1日、令谷の素性が明らかになった後、香港の親中メディア「文匯報」は、令計画が十八大の党代表に満票で当選したことを報じた。あるウォッチャーは、「文匯報」がこの時期にこのようなニュースを報じたのは、胡錦濤が令計画を支持していることを暗示していると考えている。さらにはその前日、新華社は令計画のある演説を掲載している。また事故後には、令計画は全ての時間と労力を胡錦濤のために注いでおり、息子のことを顧みるような時間もなかった、というような情報も出回っている。
このような状況ではあるが、令計画は良くても24名の政治局入りするまでだろうと考えている。そして、日曜日の人事情報で、政治局入りすることも困難になったと思われている。政治学者の陳子明は、「ただでさえ、成績的に乏しい令計画に、この事件が与えた影響は大きく、政治局常務委員に無理をして押し込むはできないでしょう。勿論彼の庇護者である胡錦濤は努力をしているものの、容易なものではない。」と語っている。「現在、事故の後、彼のイメージはマイナスになりました。政治闘争はかように激烈なものですがから、どんな小さいことも大きくされてしまう、ましてやこんな事故はなおさらです。」
令計画とその妻は、失った子供がダメ息子だったという批判を受けるだけでなく、政治的にも、次の日には通常業務をこなしていたことが冷酷だ、という攻撃材料を与えることになる。実際、事故後二週間後にはもう、令計画は胡錦濤の韓国/カンボジア歴訪に同行している。しかしある北京の公務員が指摘するには、令計画は事件の後精神的ダメージをひきずっているという。
香港の政治学者・劉鋭紹は、もし自動車事故がなくとも、胡錦濤の影響力は令計画を常務委員入りさせることはできなかった。と考えている。しかし、今回の事故は令計画の政敵に、彼を攻撃するのに充分なほどの武器を与えたのだ、と指摘する。
劉は最後にこういった、「結局、"妥協"は中国政治の中で最も重要なことなのです。」
■経世済民の術とは
「西安では湖を増やし、武漢では湖を減らそうとしている」というニュースをみて、「西安は龐徳ごときに指摘されるくらい水の手に乏しいところだし、武漢は98年の洪水で工場の煙突までどっぷり浸かるような街だからなあ」と独りごちていた所、西安の方は「ウォータフロントの方が歴史美観都市・西安の不動産価値があがるでしょ?」、武漢の方は「マンション建てる土地を造るためだよ?」ということだそうで、北京の新京報が疑義を呈している模様。
(新京報)
■もう古いよ、そのゲーム会社のマーケティング
北京の西単で「女媧」を名乗る葉っぱビキニの姉ちゃんが登場。なぜか考古学で年代測定に使う炭素-14の鑑定書まで脇に置いて、「ワタシ上古から来ました」っぷりをアピールしている模様。何をしたかったかはイマイチ不明。
(天津網)
■一年生になったら
中国では新学年のスタートとなる時期ですが、深圳市福田区の華富小学校校舎は建築基準に違反していたということで取り壊しが8月中旬に決定したものの、さすがに間に合うこともなく新学期初日を迎えてしまったために、新一年生と二年生はプレハブ校舎で、他の800名は、取り壊し中の校舎内で授業をしていた模様。
(南方都市報)
■鼻炎の恨み
深圳に住む43歳の男性が、市内の病院で包丁を持って暴れ、耳鼻科の医師・看護士・警備員など4名に傷を負わせるという事件が発生。原因は7月から都合7000元も使って治療しているのに、鼻炎がいつまで治らないことに腹を立てたためだとか。
(南方都市報)
■誰も気にしてないですから
「バイオハザード5」ジャパンプレミアに出席する予定だった李冰冰は、「釣魚島は中国の領土です!」を理由に訪日キャンセルしていた模様。ミラ・ジョヴォヴィッチさえ来てくれたら日本人は文句言わんよ。
(21CN)
■縁の切れ目がカネの切れ目
周星馳の元ガールフレンド・于文鳳さんが、7000万HKDの支払いを求めて元カレを提訴した模様。
(多維新聞)
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