中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年09月06日
炎上(?)しているのは、「すいません。ずっと更新していませんでした。元気です。中国に行きたいな。仕事じゃなくて、旅行で!中国のステキな観光地教えてよ」というたあいもない書き込み。
たんなる近況報告ではなくて、ファンがコメントを書き込みやすいようにするのが芸能人マイクロブログの達人の手法かも知れない。6日には飲み会実況中継をつぶやいているが、「こんなに酒強いの?」「いやいや友達と一緒だから」「一瓶一気飲みできる。」「一気は嫌い。でも人に呑ませるのは好き。私は怖い人だよ」という掛け合いを、微妙に間違った中国語で披露している。この程度のやりとりでも実際に返事をもらった人は嬉しいのだろう。
閑話休題。「観光地教えて」つぶやきに対し、当初は「河南省!」「雲南どうよ」「おれのところに濃いよ」「淮安はあなたを歓迎する」「アモイはいいよ。あと九寨溝、麗江、シャングリラ」「海南・保亭に来て!メシと泊まる場所は提供するから」などなどファンのつぶやきが書き込まれていた。それがいつからか……。
釣魚島(尖閣諸島・魚釣島の中国名)、釣魚島、釣魚島、釣魚島……と連呼する流れに。6日午前11時現在で8万6000回リツイートされ、5万のコメントが書き込まれているが、その大半が連呼とみられる。
「中国ネット民はここまで愛国心に燃えているのか……恐るべし」ととらえる人がいるかどうかは分からないが、おそらくはそんな深刻なネタではなく、ちょっとしたお遊びとして広がったというぐらいの感じ。コメント数からすると立派に炎上しているが、中身をみると微妙なところだ。
蒼井そらさんサイドもこの書き込みを削除せずに放置しているのがなんとも勇ましい。これぐらいネタにしてもらうのはあり、という判断なのだろうか。中国進出する芸能人には、反日の盛り上がりもビジネスのタネの一つに変えていくぐらいの根性が求められているのかもしれない。
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