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「日本の元AV女優が尖閣を中国領土と認めた」環球網の煽り記事が思わぬ失敗をしている件

2012年09月07日

2012年9月7日、環球網は記事「日本の元AV女優が釣魚島を中国領土と認める=平和を希望と主張」を掲載した。


■紅音ほたる

元AV女優の紅音ほたるさん。台湾・レッドリボン基金会の公益大使として活動するなど、中華圏でもコンドーム着用の啓蒙活動などに取り組んでいる。また普通ならば回避しそうな政治的問題にもド直球の発言をすることでも知られる。

2010年9月には尖閣諸島沖中国漁船衝突事故についてツイッターに以下のようなメッセージを書き込み、反響を呼んだ。

中国の友人たちへ。今、日本と中国の間には大変な事件が起きています。私はばかなのであんまり難しいことはわかりません。でも、とても悲しいんです。日本人と中国人は同じアジアの友人じゃないですか。中国の友人たちも日本人のことを友達と考えてくれているんでしょう?私はこの問題が一刻も早く解決することを祈っています。


■紅音ほたるのつぶやき

そしてまた今回もド直球だ。

20120907_写真_中国_紅音ほたる_1

「釣魚島は中国のものと認めますか?」という質問に答えて。以下は私個人の意見です。歴史的に見れば(添付の資料のように)言うことが出来るでしょう。でも現在の問題は歴史ではなくて、戦後に米軍統治下の沖縄地区が正しく対処されることなく日本に返還されたことに起因しています。それが今の問題となってしまいました。ですから私たちに今必要なことは両国政府にはやく平和的に問題を解決してもらうこと。最終的にどちらの国の領土になるかは「私」にとっては重要ではありません。ただ平和を望むだけ。

20120907_写真_中国_紅音ほたる_2

今日から少し忙しくなります。なのでこの書き込みしか書けないかと。日本「政府」による釣魚島の購入について……。あれは私たち納税者のお金なのに、と泣きながらいうしかありません。とはいえ私たちに何ができるというのでしょう!明日から税金を払わない?そうしたら明後日には大変なことになってしまいます!今、望むのはかつての米国が残した爆弾を、両国政府が一刻も早く平和的に処理して欲しいということです。


■環球網よ、大丈夫か?

その意見について賛同する人もしない人もいるだろうが、炎上を恐れずにド直球を投げ込む姿勢はすばらしい。

さて、この紅音ほたるのつぶやきを伝えたのが環球網。人民日報社旗下の中国共産党準機関紙とでもいうべき存在なのに、このフットワークの軽さはすばらしい。内容も紅音ほたるのプロフィールと背景を簡単に説明し、後は文章を転載しただけというシンプルさだ。

いただけないのは「日本の元AV女優が釣魚島を中国領土と認める」というタイトル。紅音さんはそんなことは一言も言っていないのだが……。まあ、これもまたナイスな煽りタイトルとほめるべきだろうか。記事には74のコメントがついているのだが、紅音さんをほめるコメントが多い。記事のタイトルしか読まずにコメント書く人が多いのは日中ともに変わらないようだ。

気になるのは一つ目のつぶやきについている資料写真もそのまま転載していること。これは右側の赤茶けた部分が中国側が尖閣保有の根拠としている清代の小説「海国記」、右側は日本政府が根拠の一つとしてあげている1953年1月8日の人民日報(尖閣を沖縄の一部と明記している)だ。後者のほうは中国にとってはあまり望ましくない資料に思えるのだが、天下の環球網に掲載されてしまった。

今度から「そんな人民日報記事なんかウソっぱち」と言われたら、「いやいや、環球網に載ってるよ」と言い返すのも良いかもしれない。

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