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2012年09月09日
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先日、記事「 風刺漫画を転載しただけで労働教育2年に=書き込むとすぐに警察から恐怖のコンタクト」をお伝えしたが、今回も同じく重慶での似たような話。
任建宇さんは2009年に重慶文理学院を卒業。市政府に派遣され、同市彭水ミャオ族トゥチャ族自治県郁山鎮の「大学生村役人」となった。「大学生村役人」(大学生村官)とは田舎に優秀な若者を送り込むための制度で、卒業直後の大学生を村役人として採用するもの。2年間の試用期間があり、途中でやめた場合でも以前の戸籍に戻れるなどの措置を講じて人材を募っている。
任さんは試用期間を終えて正式に公務員としての採用が決まった後、警察に拘束され2年間の労働教育を命じられた。任さんの罪とされたのはマイクロブログやSNSに「負の言論と情報」を書き込んだこと。だが問題とされた100件あまりの書き込みのうち、大半はリツイート、他者の書き込みの転載だった。また「自由がなければ、むしろ死を選ぶ」とのコピーが書かれたTシャツまで、異常思想の持ち主としての証拠物件にされたと任さんと交際している女性は話している。
任さんの父親・任世六さんは学校といえば1~2カ月通ったことがある程度で、字を読むことすらほとんどできない。世六さんは、息子がどんな罪を犯したのか、まったく理解できないでいる。面会に行った父親に、任さんは「安心しなよ。20年もすればぼくの評価は回復するから」となぐさめた。この言葉を聞かれたら大変だと慌てる父に、任さんは「安心してよ。ぼくは2年で出られるから。露店でも開けば、どこででも生活できるよ。今は大学院に行ったとでも思っておいてよ」と慰めたという。
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