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【尖閣】中国の「反日」がレベルアップ=デモ容認姿勢明らか、騒動拡大は必至か(水彩画)

2012年09月12日

■尖閣諸島国有化に対する中国の反応■

*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年9月12日付記事を許可を得て転載したものです。


日本政府による尖閣国有化を受け、中国がさまざまな反応を見せています。北京市、山東省、湖南省など各地でまたも反日デモが起きたようですが、中国メディアは北京のデモの写真を掲載するという異例の対応を見せています。


■胡錦濤、呉邦国、温家宝の批判声明

胡錦濤、呉邦国、温家宝の常務委員上位3人が、尖閣諸島の国有化に対してこぞって声明を出しました。

胡錦濤、現在の中日関係と釣魚島問題について立場表明(新華社 2012/9/9)
呉邦国、現在の中日関係と釣魚島問題について立場表明(北京日報 2012/9/9)
温家宝、外交学院の周恩来、陳毅銅像除幕式で講話(新華社 2012/9/10)

これまでの見解を超えるような新しい発言は出てきていませんし、胡錦濤はロシア、呉邦国はイランと外国にいるのですが、海外だといつもより口が軽くなるというのは前からのパターン。というわけで、国内での発言より重要度は下がります。温家宝も未来の外交官を前にして、いつもの様に調子に乗ってしまった、といったところでしょうか。その意味でこの3人の日本批判発言そろい踏みをそう重大に受け止める必要はないのではと考えています。

ちなみに中国は一応「対立解決の交渉の軌道に立ち戻る」という落とし所を用意しているつもりのようですが、日本が交渉の席についても中国が現在の主張を変えるわけではないので、日本としては当面は気にすることは無いでしょう。


■中国国防部、新華社、ついでに気象局まで日本に対抗

新華国際時評「中国の領土主権保護の決心は永遠に揺るがない」(新華社 2012/9/11)
国防部「中国軍隊は日本政府のいわゆる国有化に対し反対と強烈な抗議を表明」(新華社 2012/9/11)
中国中央気象台、釣魚島の天気予報開始(新華社 2012/9/11)

今日も各種ネタが出てきています。国防部の表明は珍しいですが、実際に軍を動かせる中央軍事委員会名義で無い限りはあまり気にしなくていいのではないかと。態度保留でしかありませんしね。


■反日デモはほめていい?中国外交部の記者会見

9月11日外交部定例記者会見

記者「本日、駐中大使館前で民間のデモがあったが、中国側はどのように考えるか」

報道官「釣魚島と付属する島嶼は、古来より中国固有の領土であり、日本側による誤った行動が国内外の中華子女の強烈な義憤を巻き起こした。同時に、我々は公衆に法に従い、理性的に愛国の情熱を表して欲しいとも思う」

上記は外交部公式サイトからの引用です。ちなみにメディアに転載された記事と比較すると、面白いことがわかります。実は「同時に」の前に「(我々は彼らの義憤を)理解できる」という一文が公式サイトからは抜けているのです。反日デモについて理解できると言ってしまったのはまずかったという判断なのでしょう。


■北京市の小規模デモ

北京市の日本大使館前で20人程度の小規模抗議デモがあったとのこと。これを人民網が伝えています。

日本中国大使館前で抗議活動(人民網 2012/9/11)

北京での反日デモが人民日報で報じられたのは、2005年以来初めてじゃないでしょうか。小規模で大事に拡大しなかった、というか拡大しない自信の現われだと思います。2005年のような殺伐としたデモなら確実に封殺していたでしょうし、数十人で義憤もへったくれもないでしょう。

20120911_写真_中国_反日デモ_

外交部はデモ自体には理解を示しつつも、デモの拡大化や過激化を望んでいないので、国内では抑える自信があるのでしょうし、国内であまり盛り上げるつもりはないのだと思います。ただ外交部の物言いが一段階上がったのと、胡錦濤、呉邦国、温家宝が声明を出したこともあり、日中交流事業への影響が出ています。


■山東省VS山口県

中国山東省代表団、15人中9人が来日中止山口県(47NEWS 2012/9/12)

山口県は10日、11日から15人で来県予定だった中国山東省の行政代表団の大半が来訪できなくなったと発表した。団長の夏耕副省長に「緊急の公務」が入り、日本を担当する外事弁公室の6人だけとなる。歓迎レセプションなどは中止する。

県国際課によると、10日夕、山東省から電話が入った。シーモール下関(下関市)での観光展(14日まで)などは行うが、12日の開会式は中止。同日夕に湯田温泉で予定していた歓迎レセプションや山本繁太郎知事、柳居俊学県議会議長との会談も取りやめる。

県国際課は「来日できなくなった理由はあくまで緊急の公務としか聞いていない」としている。この程度なら実害は大して無いのですが、上海市内で「○○日本鬼子」と書かれた刃物を持った男が暴れたとの情報もあり、9月18日の満州事変記念日が近いことから、在中の方々にはくれぐれもお気を付け下さい。

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*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年9月12日付記事を許可を得て転載したものです。     

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 コメント一覧 (3)

    • 1. ヒロ
    • 2012年09月12日 18:59
    • いつも中国の情勢を詳しく記事にしているこのブログをよく拝見しています。

      11日に私は中国の友達にから「戦争になるのか?」と聞かれました。こんなことは漁船衝突事件の時も今まで聞かれたことありません。
      想像してたよりも過激な報道が中国で報じられてるんだろうと思います。

      私は尖閣諸島は日本のものと思っていますが、中国人の友達が多いので、最近の日中関係は正直辛いですわ。(´・ω・`)
    • 2. Chinanews
    • 2012年09月12日 20:28
    • >ヒロさん

      読んでいただいてありがとうございます。

      「戦争になるかも」という不安、中国人の間に広がっている楊ですね。私も回りでもそういう質問をちらほらと聞きました。なんか戦争必至と煽っている記事やブログがあるのか、それとも全体のムードなのか。日本に住んでいる中国人、中国に住んでいる日本人とか針のむしろ状態ですよね。

      こんなおばかな意地の張り合いはつらいので、もうちょっと大人なつきあいにしたいものですが……
    • 3. 虎党
    • 2012年09月12日 21:00
    • 5 頭に来るなぁーだからするな!って言ったやろ!!何回も同じこと言わすな!!俺は怒り大爆発やぞ!!えー加減にせーゴラ違反的なデモ禁止や!!俺は怒り分かるんか!!!!!

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